« 西村流!4画面思考の発表 | トップページ | 社労士試験に参戦! »

2017年12月10日 (日)

第10回 日本再活性化とMOT研究会に参加して…

昨日は、始めて、第10回 日本再活性化とMOT研究会に参加した。

テーマ:「ビジネスモデル特許の過去・現在そして未来」
講演者:中村合同特許法律事務所 弁理士 谷口 信行 氏

非常に興味あるタイトルである。

ビジネス方法を特許で保護する趣旨であるが、

これはいささか無理がある。

いわゆるビジネス方法を、ハードウエア資源及びソフトウエア資源の利用という制限付きの特許で保護して、誰が何の得になるのだ?

権利行使も困難である。

SO WHAT・・・?である。

誤解を恐れずにいうと、

特許庁の仕事を増やすこと。

弁理士の仕事を増やすこと。

正直この2点であろう。

特許権者にとって何のメリットになるのか一義的に結び付かない。

MOT研究会では、講演者の他に、特許庁の役人が同席したので、

参加者がこの点を質問したのだ。

そうしたら、そのお役人は、権利行使が困難でも、マーケティングで活用できると回答した。

飽きれた回答だ。

競合他社で同じシステムを使って模倣する中、権利行使ができない特許をどのようなマーケで使えるのか?

せいぜい融資のときの特許の欄に記載したり、ホームページで特許取得済みとうたうのみ。

しかも、実体は権利行使し難い特許で。。。

何度も言う。

クライアントが特許を取得する意義は、つまり、自社の収益を上げたいからだ。

ビジネスモデル特許を取得するためではない。

ビジネス感覚に疎い役人がビジネスモデル特許を構想しても、

そんなビジネス方法は実社会における、それとはまったく異なるものである。

そもそも、実体はハードやソフトの特許なのに、ビジネスモデル特許というネーミングが間違っている。

ビジネスモデル特許と名付ければ、

一般社会では、ビジネスモデルそのもの、ビジネスのやり方に特許があると誤解する。

実際の特許のポイントは、演算処理の細かいプロセスないし制御のところなのに…

ネーミングのセンスからして詐欺っぽいところがある。

ビジネスモデル特許があるから、ビジネスが独占できると思わないこと。

それでは、実際、クレームが1頁以上にもわたる長文で記載されていてようやく特許になったとしよう。

これを侵害している業者がいるとして、

裁判しても勝てる見込みなんてほとんどないと断言できる。

弁護士や弁理士に訴訟代理費用を1000万円以上支払い、敗訴することが濃厚である。

その理由は、相手方にあるシステムを入手できない状況で、クレームの構成要件の全てを立証することは不可能に近いから。

この立証ができるのは目に見えるモノに限られるともいえる。

こういう活用のし難い現状のビジネスモデル特許を確立して、何になるのかを考えれば、

冒頭のとおりである。

特許庁の仕事と弁理士の仕事が増える反面、

出願人が(誤解に基づき)抱く期待が無残にも裏切られる可能性が高いといえる。

クライアントからの依頼時に、現状の弱点をしっかり説明すること。

そのうえで権利化するのか否か、権利化する場合にはどのような戦略が最善かをクライアントの利益の点から考え抜くこと。

これが我々弁理士に課された義務である。

|

« 西村流!4画面思考の発表 | トップページ | 社労士試験に参戦! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第10回 日本再活性化とMOT研究会に参加して…:

« 西村流!4画面思考の発表 | トップページ | 社労士試験に参戦! »