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2017年12月23日 (土)

特許査定率が高いということの裏の意味…

巷の特許事務所には、

特許査定率が高いことを宣伝文句に自己の評価を上げるような宣伝をしているところがあります。

特許査定率が高ければ、うちの事務所なら特許査定になる確率が高いですよ~と主張しているのです。

権利範囲に拘らず、特許査定に至ることが目的ならそれで結構。

しかし、特許のことをよく知る人間がこれを聴くと、

だから…何?

so what??

としか思わない。

重要なのは、どのような権利範囲で特許査定にしているのか。

権利の取り方。

この2点です。

特許査定自体は大して難しいことではない。

どの弁理士も普通に特許査定にします。

しかし、特許庁の審査官と議論する中で、狭くて活用できない権利にしてしまう弁理士と、

粘り腰で広い権利範囲の特許査定を勝ち取る弁理士がいる。

後者は、ひょっとして審判まで進み、費用が余分にかかるかもしれませんが、

その重要性について熟知しているので、費用について出願人を説得できる弁理士です。

審査官も実は、狭い権利にするのが大好きなのだ。

面と向かっては言いませんが。

いち私人に大きな特許を付与すれば、公共の秩序が乱れるという、例のお役所的立場からです。

明後日の公知文献を変な理屈で無理矢理ねじ込み、難癖をつけて、拒絶査定にしようとする。

それでも粘る出願人がいれば、また別ルートで対処という御役所スタイル。

弁理士の中にも、クライアントとの関係で早く特許査定にしたいのか、成功報酬が欲しいのかわかりませんが、なんでもかんでも特許査定目指して一直線というのも多いのだ。

特許査定が査定が目的ならこれで構わないけれど、

権利の活用まで考えると、権利範囲や権利の取り方については徹底的に拘るべきである。

たとえ、拒絶査定になって、審判に入り、それでも拒絶審決になれば、訴訟を提起する覚悟が必要なのだ、弁理士にも出願人にも。

まさか特許証を飾って自己満足で権利化するわけではあるまい…

なので、特許査定率という言葉を使うと、いかに優秀・有能であることを世間は誤解するが、

もし活用できない権利の山なら、

どうしますか?

私が出願人なら文句いいますよ。

特許を知れば知るほど、効用と限界を肌で感じることができる。

弁理士を選択するときには、耳障りの良い特許の効用ばかり説明する弁理士ではなく、

特許の限界をしっかり余す所なく説明する人を代理人にすること。

これがクライアントと特許事務所の信頼関係の前提です。

この前提がかければ、

依頼人は後悔することになりそうです。

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私の書作『吹雪』

Img_20171222_001217

現在の私の級位は、4級です。

書道師範は8段を超えた先にあるようです。

地道に頑張って行こうと思います。

私の事務所に書作を飾ったり、

展覧会等で私の作品が展示されることが夢。

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ブログのタイトル変更

今の私の状況に合致させるために、

ブログのタイトルを変更致しました。

関係者の皆様、お手数ですが、ご変更をお願い致します。。

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2017年12月22日 (金)

特許事務所と労働基準法

社労士試験の勉強を開始して、労働基準法(以下、労基法)という法律と真剣に付き合う機会を得た。

労基法は、ノーワーク・ノーペイの原則を貫くといいながら、

かなり労働者に有利な法律になっている。

そもそも使用者が雇用関係で有利に立つことから仕方がないが。

労基法を遵守しようとすればするほど、特許事務所の経営者はヒトを雇用したくなくなるだろう。

私は独立する前に、特許事務所に所員として勤務させてもらっていた。

そのときの所長や先輩諸兄に対しては、今でも感謝に絶えない。

しかし、特許事務所勤務時代での良い思い出は皆無だ。

当時は、私は20代。

弁理士試験予備校に通いながら、勤務していた。

業務に慣れると、私が担当し、所内の誰のチェックを受けることなく、クライアントに案件を送信する。

クライアントから修正指示があれば、修正し、特許庁へ出願。

特許技術者として一般的なスタイルかと思う。

労基法については定款等でしっかり遵守している旨が記載されていたが、

実体については、疑問点も多かった。

例えば、1週間40時間を超える労働なんてザラ。

もちろん36協定みたいなシャレたものは無し。

クライアントの納期で6件の新規特許明細書を1週間で作成するノルマを課せられたことがある。

当時の20代の私の給与相当よりも、不釣り合いな業務量だ。

当然、自宅に帰れない。

風呂にも入れない。

ベッドで寝れない日が続く。

それよりも何も、弁理士試験の予備校に満足に出られなかった。

上司に相談しても、納期、納期、納期。

納期が優先。

このようなある意味、奴隷のような生活を強いられていたおかげで、

今の私があると思うが、

このような環境で働く人の心と精神には大きな負担と傷を残す。

特許事務所の労働環境は人を蝕むのだ。

良い仕事をしようと思えば、

労働環境はずば抜けて良くないとダメというのが私の持論である。

労働環境は、法律があるから遵守するのではなく、

ベストなパフォーマンスを発揮し、良い仕事をするための絶対条件だ。

巷の特許事務所の仕事は、特許査定をとることが目的のようだ(私の事務所はクライアントの事業力を強くすることが目的)。

特許査定を目標にあげると、時として、クライアントの意向ともズレてしまう。

そうなれば、

所員も仕事も、

特許事務所所長の自己満足に過ぎないものといえる。

この点を改めないと、特許事務所、ひいては弁理士業界に明るい未来はないのではないか。

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2017年12月21日 (木)

大企業のお粗末な特許戦略で外国に技術だだ漏れ…

今では少なくなりましたが、

昔は、大企業からの大量出願競争が致命的な問題を引き起こしました。

大企業も戦略的に大量に出願するのではなく、特許部に与えられた予算を余らせることができないため、ヤミクモに出願していたのです。

その結果、どうなったか?

特許庁に出願すれば、やがて公開されます。

公開されれば、世界に特許出願の内容が漏れ出します。

中国や韓国の企業は、日本の特許庁にアクセスして、日本の公開公報を研究します。

日本の技術がノウハウが無料で入手できるのです。

事実、公開公報を参照すれば、出願人の戦略を予想でき、技術レベルも判明します。

日本の弁理士も自分の事務所の利益を考え、

大企業からの出願依頼を断ることはありません。

むしろ、特許事務所が仕事をクレクレと逆に催促することもあるそうです。

こうして出願した特許が公開され、技術漏洩の引き金をつくる。

日本国の利益に大いに反している結果になりました。

それは皮肉にも、大企業の間違った特許戦略と、これを歓迎する弁理士側の共同作業が引き起こした人災といえます。

現在では、出願件数が35万件程度と以前よりも10万件程少なくなりましたが、

どこまで改善されているのだろうか…?

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2017年12月19日 (火)

特定侵害訴訟代理業務試験について

今年も特定侵害訴訟代理業務試験(以下、付記代理試験)が行われ、結果が発表された。

特許庁から公表されている結果を参照する。

https://www.jpo.go.jp/torikumi/benrishi/benrishi2/h29_shingai_result.htm

平成15年度からの経緯を見ると、

弁理士数が増加しているにもかかわらず、志願者数が激減している状況だ。

順調に減っている。

平成29年は193名に対して合格者88名。

この数字から読み取ることができるのは、

特定侵害訴訟代理業務試験は形骸化しているということだ。

そもそも訴訟実務もほとんど経験のない弁理士に訴訟代理資格は分を超えている。

共同代理なら良いという条件で、訴訟代理権が付与されるものの

共同代理よりも、実力的に補佐人が妥当ではないか?

こんな試験に合格しても何がどうかなるわけではないのだ。

裁判官が期待できるレベルにならない。

本業の片手間で弁理士が研修を受け、多くの時間を割いて試験勉強し、仮に試験に合格しても、訴訟代理の仕事なんてこないと断言できる。

そうなれば、合格したときの知識が飛んだ状態で何年も過ごし、仮に5年後に事件を受任しても、そのときはまたゼロからになる。

よって、この試験に合格したことによって、

形式的には代理資格を有しても、糞の役にも立たない状況が待っているのだ。

弁理士が、弁護士を講師に招き、自己満足で時間を消費する。

これが今の付記代理試験の現実と映る。

弁理士は特許の専門家であり、技術の専門家であって、

一般的な法律の専門家ではない。

いわゆる法律の専門家といえるのは、弁護士と司法書士のみ。

他は、特殊業務の専門家になろう(もちろん業務に関係する法律は熟知しているはずだが)。

弁護士にとっても、共同代理より、補佐人として弁理士が関与する方が訴訟手続進行上、やり易いのではないだろうか?

共同代理だと、代理人同士の調整が必要となり、訴訟をコントロールできなくなる。

他方、補佐人だと、あくまでも参与的な参加なので、意見は聞くが、コントロールは弁護士単独でできる。

こうしたことで、弁護士側に共同代理のニーズはないといえる。

また、最近では理系出身の弁護士が増えている。

ロースクールを出た特許弁護士が事件を担当する機会が増えている事実を考慮すれば、弁理士に訴訟代理資格を付与する理由はないといえるだろう。

もうひとつの観点。

弁理士の力量の点を考えると、訴訟にも慣れが必要だ。

私も補佐人として侵害訴訟に関与する機会を頂いたが、

裁判所の雰囲気で審理することはなかなか大変。

アウェイ感で気が滅入る。

訴訟手続にしても、やはり付記代理試験の内容では、とても代理権なんて与えられたものではない。

書記官に聞いてみればすぐにわかる。

弁理士が担当すると、いろいろ手続の不備があると…

弁理士に訴訟代理の力量なんて備わっていないのであるから、このような付記代理試験を合格したからという事実だけで、弁理士に訴訟代理権が付与されるのは、裁判所として、また、依頼人としても、たまったものではないのであろう。

このようにニーズと力量の観点から、弁理士に訴訟代理はマッチしない。

弁理士に要求されているのは、これとはむしろ逆で、なるべく訴訟に至る前に解決する番人である。

訴訟になれば、勝訴と敗訴にわかれるが、真の勝利者はいないのだ。

裁判の当事者になることで、たとえ原告であっても、負けなのである。

訴訟が提起されれば、毎月、裁判所に出向く。これが約1年続く。

中小企業の経営者が当事者になれば、会社の営業はどうなる?

社長は多くの仕事を抱えているが、裁判している時間、労力なんてないはずだ。

弁理士は裁判になる前に出願戦略や交渉、契約で手を打ち、クライアントを訴訟当事者にさせない責務がある。

たまに訴訟業務を自慢話のように語る弁理士がいるが、

私にいわせれば、無責任極まりなく、自己満足で仕事をしている3流以下の弁理士である。

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2017年12月10日 (日)

社労士試験に参戦!

知的資産経営の神になるため、社労士試験に参戦します。

こちらは完全独学です。

早速、2科目のテキストと参考書の取り寄せましたが、全科目を集めると背の高さくらいになりそうです。

Img_20171210_104642

1人の弁理士と1人の社労士のタッグもよいのですが、

その場合、クライアントに対して、形式知の総和のサービスしか提供できません。

これを独りでダブルの資格を取得すれば、

暗黙知を形式知にすることなく、また暗黙知の移転プロセスがなく、

暗黙知同士の融合が可能です。

暗黙知の融合が成功すると、

サービスイノベーションを容易に実現することができます。

同時進行的に、中小企業診断士の受験も継続します。

1次3科目と2次・3次試験が残っています。

弁理士×社労士×中小企業診断士で、

暗黙知の融合を行い、誰も真似できず、クライアントにとって最善のサービスを提供する。

日本の士業界に革新を起こすでしょう。

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第10回 日本再活性化とMOT研究会に参加して…

昨日は、始めて、第10回 日本再活性化とMOT研究会に参加した。

テーマ:「ビジネスモデル特許の過去・現在そして未来」
講演者:中村合同特許法律事務所 弁理士 谷口 信行 氏

非常に興味あるタイトルである。

ビジネス方法を特許で保護する趣旨であるが、

これはいささか無理がある。

いわゆるビジネス方法を、ハードウエア資源及びソフトウエア資源の利用という制限付きの特許で保護して、誰が何の得になるのだ?

権利行使も困難である。

SO WHAT・・・?である。

誤解を恐れずにいうと、

特許庁の仕事を増やすこと。

弁理士の仕事を増やすこと。

正直この2点であろう。

特許権者にとって何のメリットになるのか一義的に結び付かない。

MOT研究会では、講演者の他に、特許庁の役人が同席したので、

参加者がこの点を質問したのだ。

そうしたら、そのお役人は、権利行使が困難でも、マーケティングで活用できると回答した。

飽きれた回答だ。

競合他社で同じシステムを使って模倣する中、権利行使ができない特許をどのようなマーケで使えるのか?

せいぜい融資のときの特許の欄に記載したり、ホームページで特許取得済みとうたうのみ。

しかも、実体は権利行使し難い特許で。。。

何度も言う。

クライアントが特許を取得する意義は、つまり、自社の収益を上げたいからだ。

ビジネスモデル特許を取得するためではない。

ビジネス感覚に疎い役人がビジネスモデル特許を構想しても、

そんなビジネス方法は実社会における、それとはまったく異なるものである。

そもそも、実体はハードやソフトの特許なのに、ビジネスモデル特許というネーミングが間違っている。

ビジネスモデル特許と名付ければ、

一般社会では、ビジネスモデルそのもの、ビジネスのやり方に特許があると誤解する。

実際の特許のポイントは、演算処理の細かいプロセスないし制御のところなのに…

ネーミングのセンスからして詐欺っぽいところがある。

ビジネスモデル特許があるから、ビジネスが独占できると思わないこと。

それでは、実際、クレームが1頁以上にもわたる長文で記載されていてようやく特許になったとしよう。

これを侵害している業者がいるとして、

裁判しても勝てる見込みなんてほとんどないと断言できる。

弁護士や弁理士に訴訟代理費用を1000万円以上支払い、敗訴することが濃厚である。

その理由は、相手方にあるシステムを入手できない状況で、クレームの構成要件の全てを立証することは不可能に近いから。

この立証ができるのは目に見えるモノに限られるともいえる。

こういう活用のし難い現状のビジネスモデル特許を確立して、何になるのかを考えれば、

冒頭のとおりである。

特許庁の仕事と弁理士の仕事が増える反面、

出願人が(誤解に基づき)抱く期待が無残にも裏切られる可能性が高いといえる。

クライアントからの依頼時に、現状の弱点をしっかり説明すること。

そのうえで権利化するのか否か、権利化する場合にはどのような戦略が最善かをクライアントの利益の点から考え抜くこと。

これが我々弁理士に課された義務である。

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2017年12月 3日 (日)

西村流!4画面思考の発表

先日の北陸MOTセミナーでは、

私の将来、なりたい姿・ありたい姿を描いた4画面思考を披露して参りました。

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自分で自分の4画面思考を完成させているプロセスで、

多くの気づきと大きな発見がありました。

私のなりたい姿は、『知的資産経営のドラッカー』です。

私の役目は、

クライアントに最適な知的資産を構築支援し、クライアントの潜在事業力を極大化させること。

知的資産とは知的財産の問題だけではありません。

人事・労務、組織の問題を多く絡んできます。

従業員にとっての働き方改革を、クライアント経営者と一緒に進めて参ります。

働き方といえば、特許事務所の業界もボロボロだと思います。

私の勤務時代だった15年前までは、完全出来高制で、身も心もズタズタにされた所員をたくさん見てきました。

クライアント企業だけではなく、特許事務所における働き方改革を、

例えば委員会等を作って進めて参りたいと思います。

人事・労務だけではなく、人の心を取り扱う問題、しかも、利害関係が絡む環境では、

経営者に有利な状況を多く生む反面、実力ある所員と経営者なら立場が逆転します。

一概にどちらが有利とは断言できませんが、

お互いが社会人として良いところをうまく出し合い、融合していければ、クライアントに対しても、もっともっと良いサービスが提供できるものと思います。

その点でいえば、特許事務所の労務・雇用環境は、まだまだ昭和の戦前のような所も多いのです。

最近は若い経営者が増えて解消されると思いきや、

やはりさまざまな欲があり、利害関係がある人間ですから、本質は変わっていないでしょう。

そこにメスを入れて改革を起こしたいと思います。

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