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2019年8月29日 (木)

弁理士による訴訟実務の導入編~パラリーガル視点

弁理士が訴訟代理人・補佐人を受任するときのパラリーガル視点での備忘録。


裁判所書面は、正本・副本・写し3部を用意する。

各部ごとにホッチキスで止める。

写しは正本の写しであり、正本(代理人印を押したもの)で、ゴム印で正本を表記していない状態のものをコピーして作る。

ワードデータからの印刷では写しではないのでダメ。

正本・写し3部は裁判所用、副本は相手方用のもの。

写しが3部必要なのは、裁判官が3人の合議体だから。

正本・副本・写しの区別は、ゴム印等で示す(手書きでもok)。

私は訴訟実務用のゴム印等は、ネットで検索して、いいなと思う印鑑を購入した。

その他、書証を提出する場合、証拠説明書をつける。

証拠説明書にも、正本・副本・写しの区別を表記。

書証、例えば、甲号証・乙号証については正本・副本・写しの区別表記は無くても良し(ただし、先頭の書証のみ区別表記する弁護士もいる)。号番についてはゴム印を赤色の朱肉につけて押印し、番号のみ赤マジックで手書きするのが一般的。

甲号証は原告ないし請求人が提出する書証、乙号証は被告ないし被請求人が提出する書証。

裁判所に書面を持参する場合、自分用の控えを持っていくと、そこに裁判所の受領印を押して貰える。

裁判所に郵送しても良いが、到達主義に注意。

書面提出後、裁判所にはデータをメール送信する(訴訟が始まるときに裁判所からデータ送信の依頼があり、これに承諾すると裁判所のメアドを教えて貰える)。

副本は、原則、相手方に直送するが、受領書付き送付書を添付して相手方へ郵送する。

当該受領書には相手方から記名押印してもらい、その後速やかに、当職と裁判所にそれぞれfax返信して貰う。


注意点は、副本は原則相手方に直送するが、

訴状等、事件が開始する場合の書面の副本については裁判所が事件内容を把握する必要があるため、先ず裁判所に送り、裁判所経由で相手方に郵送される。

その場合の郵送費用は、原告が負担する。


書面の様式では、表紙に「直送済み」と表記されているモデルがあるが、法律で決まっているわけではなく、表記無くても問題なし。

書式の文字数、フォント、行と列の数、色等は、特別な決まりが無く、特許出願の明細書と異なりカラーで示しても問題なし。

ただし、小さすぎる文字は、裁判官が読み難いおそれあり。


準備書面の頁数については、特段、決まり無し。

特許関係の事件では1回の準備書面が100頁~200頁に至ることも有り。さらに書証も増えることを考えれば、事務所には大きめの複合機と、十分なコピー用紙が必須になる。弁理士1人事務所ではSOHO用の小さな複合機を利用している事務所も多いと思われるが、それだと書面作成後の印刷時に苦労することになる。
弊所では、もともと、大きめの複合機(重量200キロ近いもの)と、小さめの(予備の)複合機(重量30キロくらいのもの)があるのでこの点は助かった。重量30キロくらいの小さな複合機では機器のスペック上、印刷が難儀する(途中に紙詰まり多し)。

準備書面ではページ数を表記する。ページ数の表記がない場合には各頁に割り印が必要になり、かなり面倒。

準備書面が50頁を超えてくる場合には、最初に目次をつけると見た目が良し(裁判所の印象も?)。

目次の項目には全体を示すために大項目の見出し名と主な論点だけで結構(大・中・小の全ての項目の見出しを目次に表記すると、目次だけで数十頁に至るおそれがあり、目次の意味がないかも)。

余談として、
東京地裁での侵害訴訟では16カ月くらいの審理期間をとって貰える。
他方、審決取消訴訟では、原告・被告とも、原則1回の書面で主張し尽くし、その後、適宜技術説明会を経て、速やかに口頭弁論・判決に至る。やはり審取は控訴審と同じ位置付けなので、審理期間がとても短いので注意。
侵害訴訟と審決取消訴訟では、同じ当事者同士で、原告と被告の立場が入れ変わる場合もあるが、双方の準備書面で内容をコピーする場合には注意が必要(審取では自分が被告なのに、侵害訴訟の準備書面の内容をコピーすると、被告の主張には理由がなく失当である、となってしまう(笑))。


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