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2019年10月29日 (火)

小さな事務所は単価上げる!

弊所は、多くの人に協力して頂いているものの、一人で実務から事務までこなす一人弁理士事務所です。

一人事務所に限らず、小さな士業事務所が収益を確保する場合について原則があります。

売上方程式:売上=客数×客単価

客数はクライアントの数、客単価は例えば出願手続の手数料等。

客数でも客単価でも増えれば、売上が上がります。


ここで、自滅する例は、客単価を下げて客数を上げる戦略です。

これだと、客数が増えても、ブラック事務所に成り下がり、事業者や従業員が疲弊し、安い事務所というレッテルが張られます。

安売りができるのは大手事務所のみです。大手だとブランドや規模で圧倒でき、安さが原因で、顧客視点での品格が下がることはあまりないと思います。

大手で問題となるのは、事業主や従業員の不祥事です。社会的制裁により、下手すれば、一発でクローズドに追い込まれます。

一方、小さな事務所がやると、世間には品格も質も安い事務所に写ります。もちろん事業主が反社をやれば一発レッドカードですが。

売上方程式に話を戻すと、

大手事務所は、客単価(特許事務所では一出願当たりの単価と置き換える)を下げて、客数を増加させれば、マンパワーで規模の経済性が発揮できるため、利益率が下がっても、利益(額)は増加します。

大手はこの戦略が良いと思います。

今の弁理士業界は多数乱戦市場であり、この場合は大手にとって集約・統合戦略が定石ですから、他の事務所を合併したり、作業の標準化によりコストをさらに下げて、低額なサービスが実現可能になります。


一方、小さな事務所が多数乱戦市場という同じ土俵で戦う場合には、理論上、独自サービスの開発や撤退するしか方法がありません。


しかしながら、多数乱戦市場は市場成長率が低い衰退市場が前提ですから、衰退市場を解消するには、この市場をさらに細分化していくことが必要です。

自身の強みとなる独自サービスによって価値を提供できる標的顧客を決め、そこに集中マーケティングをしていくわけですが、

弁理士業務のビジネスモデルを変えた方が弁理士報酬の枠組みを外れるため、同業者の報酬との単純比較ができなくなるので、有利です。


ドメインの定義において基準となるのは、標的顧客-顧客ニーズ-独自能力(リソース)の3つの軸ですから、

標的顧客を特定すれば、そのニーズを収集して、強みとなる独自のサービスを展開することができ、その小さな分野でのミニリーダーの立場が得られます。

ミニリーダーになれば、その分野ではトヨタ自動車の存在ですから、サービス単価を上げて収益(利益額)を向上することができるのです。

しかも、一人事務所では、標的顧客の属性の共通により(ただしコンフリクトに留意)、サービスの標準化が可能になり、一人事務所でもある程度のクライアント数まで捌けます。


弁理士だからといって弁理士業務をしなければならないというわけではないので、他のサービスを開発し、既存の弁理士業務と組み合わせても良いし、弁理士業務とは全く関係のないサービスに特化しても良いのです。


弊所は独立後17年間、一人事務所を守り続けていますが、世間からすると、数人から十数人規模は小さな事務所ですから、同じような戦略が有効だと考えています。


小さな事務所が安売りという戦略を誤ってとってしまうと、

先ず、自身が精神的・肉体的につぶれ、次に従業員が疲労し、従業員満足度が低下します。そうなると、クライアントの満足度が低下することにつながりますから、これを私は悪魔の循環サイクルと呼んでいます。

上記論拠は、弊所の研究により立証できているものです。

どこまで汎用化できるかは議論の余地があるところですが、少なくとも士業の1人事務所ではバッチの色を問わず、適合するかと考えています。

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