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2019年10月25日 (金)

形式知よりも暗黙知であるべき

士業同士の提携の話を聞いたり、私も実際に実現したりしています。

弁理士と弁護士の提携、弁理士と行政書士の提携等、おおよそ色の異なるバッジ同士が各々の専門性を補完できる良いビジネスモデルだと思います。

これを知識科学モデルの視点から説明すれば、

各士業の専門分野である形式知の融合です。

お互いの専門性を伝達するためには、客観性を有する形式知としておく必要があります。

形式知でないと、他人同士、お互いが相手の専門知識を理解することはできないのです。

そうすると、経済学の用語を借りれば、範囲の経済性を実現することです。

お互いの領域を合せて、お互いのサービスを合算するイメージになります。


ところが、これだと、ただ複数の士業が各々の業務をクライアントの必要に応じて紹介し合うだけのサービスになってしまいます。

このようなサービスだと、やはり顧客満足度が高くなることはあまりないと考えます。

顧客満足度という琴線を揺さぶるシナジーが作用しないからです。


そうではなく、知識科学モデルでいう暗黙知同士の融合こそが、顧客にとって満足度が高いサービスになると考えます。

経済学の用語でいえば、規模の経済性の発揮です。


暗黙知同士の移転に関する学術論文は存在していますが、

一般に他人の暗黙知を知る由もないことから、ビジネスではじめて出会う士業同士では、暗黙知の交換ないし移転は不可能に近いと想定されます。


これをちょうどラグビーの例を挙げると、

ラグビー日本代表が長期にわたり合宿して家族になりました。

その結果、選手同士の暗黙知の交換が可能になったということです。

具体的には、

No.8の姫野がボールキャリーで突進すると、フランカーのリーチマイケルやロックのムーアが空かさずサポートに入り、相手チームの選手のジャッカルを阻止する。

その場に、スクラムハーフの田中がボールをかきだし、フライハーフの田村に供給する。

フライハーフの田村は、相手の裏のスペースを見つけると、味方の誰かが走ることを想定してそこに蹴る。

そのスペースには右ウイングの松島が走り込んでボールをキャッチし、次にフォローしていたアウトサイドセンターのラファエレがボールを受け取る。

ラファエレがタックルを受ける前に、コースに走り込んでいる左ウイングの福岡にパスして、そのままゴールラインを越えトライを実現する。

以上の動きをチーム全員がその状況を一瞬で判断して答えを出し、共有することが重要です。

それができるのは暗黙知の交換ができるからです。

上記一連の動きを、昨日・今日に出会ったラグビー選手同士が各々独自に想定して共有することは不可能です。


ラグビーのたとえ話が長くなりましたが、

要するに、顧客が望んでいることを実現するために、全ての知識と豊富な経験で最適な道筋を示すのが士業の役割です。

その場合、顧客満足度を高めるためには、暗黙知同士の知識の交換ないし移転が必要不可欠になりますが、

それができるのは、あくまで同一人が複数の士業の資格と経験を有している場合に限られると考えます(仮説)。


そのような理由で、私は今後も引き続き、資格取得と実務経験の精進して参ります。


全ては、士業としての責務を全うすると同時に、顧客満足度を高めるためです。

新しいサービスをどんどん創作して参ります。

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コメント

彦G先生

診断士と社労士と技術士の学習の同時進行は、このまま継続すると余裕で死ねそうだったので(笑)、選択と集中を優先しました。ご指摘のとおり、仕事も勉強も健康あってのことです。健康面については肉体的な部分だけではなく、精神的な部分のケアも必要ですので、そこはプライベートで見つけてPDCAサイクルを回しています。

弁理士業界の件ですが、小さな事務所が大事務所に吸収ないし淘汰されるというのは、ある場合において妥当な評価だと思います。
しかし、それは、既存の弁理士業務に関し、大会社との取引という環境に限られる場合と思っています。世の中、大事務所ばかりに至れば、そこに不満を持つクライアントも出てくるはずですし、弁理士業務も今後、外的環境にあわせて創作的かつ柔軟に様変わりしてくる必要性から、弁理士事務所は、「大」よりも、むしろ「小」の方が良いと考えています(持論)。

弁理士業界が企業経営論でいう衰退市場であると捉えれば、同業者が多数存在する多数乱戦市場になり、ご指摘の状況を説明することができます。その場合の大手事務所の戦略は「集約・統合戦略」であり、大きな事務所は益々大きく、小さい事務所はどんどん小さくなる又は消滅する運命になります。しかしながら、弁理士業務のドメインを再定義することで、あらたな成長戦略を描くことは十分可能だと考えます。その場合、事務所は「小」こそ、まさに「金」であるという結論に至り、新たな挑戦に向けて頑張りたいと思います。

投稿: 西村知浩 | 2019年10月27日 (日) 09時34分

西村先生:コメントのご回答有難うございました。
私は、石川ゼミではβとCゼミ生でしたので、3年後輩となります。色々な公民館で、終日論文を書きまくっていたのは良い思い出となっております。

一時期、お仕事も超ハードなのに、診断士・技術士・社労士の3資格を同時にチャレンジなさっている記事を拝見したとき、非常にビックリしました。心身ともに強靭なパワーをお持ちなのだと感じておりました。ただ、2次終了後、お疲れのようですので、健康面は十分、留意なさってお過ごしください。(私は、50代で色々な病気にかかって健康面では苦労しましたので)

また、弁理士業界は、最近参加しましたので、あまり存じませんが、職場の方々からお聞きすると、少数の事務所は淘汰されて、合併等で大きくしないと経営が厳しいと聞きます。先生のビジネスモデルが、業界の再生、いや、お客様の色々な中小企業さんの発展にもつながると感じております。従いまして、ぜひ、診断士や他の資格等も取得なさって、それらのシナジーにより新たなビジネスモデルを創造され、さらなる大活躍をなさることを願っております。長文、失礼いたしました。

投稿: 彦G | 2019年10月27日 (日) 07時29分

彦G先生、コメントありがとうございます。

私は石川Wゼミの出身です。
貴ブログの記事をはじめて拝見させて頂きましたが、多くの難関資格に挑戦されているのですね。
今年の診断士2次試験を棄権されたことも拝見しました。

私は、診断士受験生の終止符を打つべく、今年は技術士試験と社労士試験を敵前逃亡して診断士2次試験に専念しました。
試験直前期では4倍界王拳の状態でしたので、試験後、その反動でヘロヘロになり、今も少し何かが残ってるようです。

診断士2次試験については私の記事で記載したとおりですが、実力は出し切りましたので試験の結果を真摯に受け入れます。
ダメだった場合は、登録養成課程で実務やフレームワークも身につけようと思います。

経営コンサルの仕事で収益の1つの核が築けるように、弁理士業務と並行して事業化して参ります。
投資したコトに対して回収するためのビジネスモデルやサービスを考え、臆することなく挑戦していきます。

彦G先生も診断士試験の受験を継続されるとのことですので、合格そしてその先の成功を祈念しております。
健康に留意しつつ、共に頑張りましょう!

今後とも宜しくお願い致します。

投稿: 西村知浩 | 2019年10月26日 (土) 21時29分

はじめまして。技術士・弁理士(未登録)で、診断士受験生の彦Gと申します。私も石川ゼミの出身なので、先生のブログはとても親近感をもって、以前から拝見しております。

さて、暗黙知が重要とのことは、私も同感です。異なる士業同士が一緒に仕事をすると、もめることもあるみたいですが、1人だと、先生のご意見のように、各々の知識のシナジー効果も生じて、お客様の多様なニーズに答えられるのかもしれません。ただ、1人だと健康を害する等、万一の場合のケアも大切かもしれません。

今後も、弁理士・診断士+アルファーの難関資格総合型の先生としてのご活躍を祈念しております。

投稿: 彦G | 2019年10月26日 (土) 18時47分

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