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2006年12月 3日 (日)

論文試験における「心証点」!(その3)

心証点シリーズ、今回は、その3です。

ライト級クラスのミスを書いてみます。

①誤記の多い答案

誤記の訂正は許されていますが、やはり人間が評価する以上、誤記は無いほうが良いに決まっています。誤記が多いと、間の抜けた答案というか、安っぽい答案というか、なんかマイナス要因に作用する要素があります。因みに、LECでは、誤記につき減点するという採点基準があります。本試験では解りませんが、誤記は無くすように努めるべきです。この対策として、仕事ではPCばかり用いて字を書く機会が少ない人は、1日に1回答案を書いてみる方法が有効です。1日に1回答案を書くことは、指を鍛え、筆力増強にも効果的です。

特に根拠条文の誤記は、重罪ですので、絶対に注意してください。脱字・略字も厳禁です。この略字としては、「特許請求の範囲」→「クレーム」、「1(1)のように、」など、面倒くさく、省略している感が伝わります。長い言葉を短く言い換える場合には、最初に定義をするなど工夫してください。面倒だから、と言う魂胆は、確実に採点者に伝わります。そして、マイナスに作用します。このことを念頭において、今までの努力にケチがつかないよう注意するべきです。

②問題文の内容とは関係のない条文の要件を延々と検討している答案

事例問題などでは、事例の内容から条文の要件を満たしているか否かを判断させるものがあります。条文の要件を判断するための材料が問題文に書かれている条件なのですが、出題者が意図する条文の要件とは別の要件を延々と説明しているものがあります。この場合、結果として、結論が出ませんので、最終的には場合分けされている答案が多いです。このような答案を出会うと、間違ったことを書かなければ減点にはしていないのですが、やはりセンス?が無いと、感じてしまいます。このような間違いをした答案は、意図する条文の要件を検討していても紙面と筆力と時間の無駄使いですし、意図する条文の要件が検討できていなければ、重要項目の項目落ちになり、合格答案にはなりません。見切り発車で書き始めると、このようなミスをします。なので、この対策としては、答案構成の時間で、何が問われているのかをよく考え、実際に事例のあてはめのシュミレーションをしておくことが必要です。

③字が雑に書かれている答案

字の良し悪しで合格答案が決まることはないと思いますが、採点は感情を持った人間がしますので、字は丁寧に書く必要があります。以前、ラブレターを書くように論文を書くといいましたが、ラブレターに雑な字が書かれていると、貰った方に心が伝わりませんね。採点する側の判断材料は、答案上の文章しかありません。このため、文章を通じて、採点者に「合格させて下さい」というアピールをする必要があるのです。この点、字が雑だと、どうせ内容も雑であろうという先入観が入り、その先入観を持って採点されることになります。採点者も感情を持った人間ですから。この結果、論文内容に不備があれば、採点者にやっぱり×という確信を持たれますし、正しい内容が書かれていても、心証点はあまり期待できないと思います。書きなぐってある答案なんかは、論外です。答案は、採点者の立場で考えて、どうか採点をお願いします、ここまで、がんばって勉強してきたので、合格の2文字を下さいという、真摯な態度で書く必要があるのです。感情は、字を介して伝わりますので、このような真摯な態度は必ずや採点者に伝わるはずです。

④解答用紙を取り違えている答案

特許法は2問出願されると思いますが、1問目と2問目の問題で、解答用紙が決まっています。なのに、なぜか、解答用紙が逆になっている答案を添削することがあります。多分、本試験でも、同じミスがあることも容易に想像できます。LECでは、大幅な減点をしています。ただ、13年の論文本試験では、解答用紙を間違えても問題と対応付けが明確であれば、大丈夫だと試験官が言われていました。その言葉には減点しないというニュアンスを感じましたが、当時、私の受験仲間に聞くと、15点減点(今の点数では30点に相当)されるようなことを言っていました。いずれにせよ、解答用紙を取り違える必要は全くありませんので、最後まで注意したいものです。因みに、平成13年受験の私の場合、条約類を含めた必須五科目は全て解答用紙が2枚ありましたので、かなり神経質になって注意していたことを覚えています。つまらないところで、今までの受験勉強の努力が無駄に帰することのないように最後まで注意しなければなりません。

以上、気になる点を挙げさせていただきました。

他に、細かい内容や、書き忘れている内容があるかもしれませんが、

思い出したときにブログにアップ致します。

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コメント

ひよこ丸さんへ

いつもコメントありがとうございます。
また、今回も温かい応援メッセージをありがとうございました。

条文の素読は、絶対実行してくださいね。
ひよこ丸さんの勉強方法は、論文書き込み→条文ですが、
本試験では、条文→論文という流れが問われます。
ですから、書き込みが終了した後、条文を読み込むときに、この条文が論文で問われた場合に、文言解釈、理由付け、趣旨の3つが書けるか否かを確認しながら、素読すると効果的です。また、趣旨は長く書く場合、短く書く場合について用意しておく必要があります。条文の読み込みと論文の勉強に関連性を持たせると、効率が上がります。

なお、この勉強をしていれば、別途、条文を1条から順番に読んでいく必要はないと思います。

また、論文試験であまり問われない条文については、土・日にまとめて勉強すると効果的です。この場合も、条文と青本の内容を対応させて、条文の要件に意味を覚えさせてください。

ご質問の回答になっているか解りませんが、
ご参考にして頂ければ幸いです。

西村先生へ:
こんにちわ。
お仕事お忙しい中ブログの更新有難うございます。
週末おじゃましようと思ったのですが、土日に論文過去問の全文
書きを8通程こなしていました。
結構腕が疲れました。
今回の心証点のアドバイス大変役にたちました。
措置系の問題の対策がほぼ頭に入ってきた感じです。
僕の場合だと項目のメリット・デメリットを表にしていますので
問題によって上げるべき項目その理由が書けるようになりました。
これも西村先生のおかげかも知れません。
ところで、自分は条文から離れないために毎朝条文の読込みをしているのですが、自分の場合咲く番昨晩演習した分野の読込みをしているのですが、全体的に読み込む場合はどんな風に読み込んでいけば良いのでしょうか。
もしお時間ありましたら是非アドバイス頂けたら嬉しいです。
これからますます忙しくなると思いますが、体にはくれぐれも気をつけて下さい。
今回も応援メッセージを。
『頑張っている先生の姿が世の中の誰よりも輝いています』

参考にして頂いて嬉しいです。

採点者(試験官)は、答案に書かれた内容しか知り得ないので、
答案構成では何を書くべきかを徹底して考え抜いてくださいね。
本試験の問題は、答練の問題よりも答案構成が難しいと思います。

大学生なんですね。
その若さが羨ましいですよ。
是非、弁理士になられて、日本の知財業界をリードしてくださいね。応援しています。
我々と共に、がんばりましょう。

西村先生、丁寧な解説ありがとうございます。
書いていないことは知らないのと同じなのですね。その意味で今年の商標の本試の答案構成をしてみた際に(1)の分割も気になったもので。大変勉強になりました。
今後答案構成をもっとしっかり考えてみようと思います。
ちなみに、私は薬学部の3年生です。先生のようなかっこいい弁理士を目指してがんばります。
先生もかなり多忙のご様子ですが健康にはお気をつけてください。

一つ質問があるのですが心証点2のほうで書かれていた矛盾する内容でも書くということなのですが,例えば意匠法において題意から要旨変更が認められる事例であっても拒絶理由などの回避措置として補正を記載した上で選択するべきではないと書くことも必要なのでしょうか?

(回答)
項目としては、どこかで挙げるべきだと思います。
事例から要旨変更が明らかであれば、補正は適切ではないのですが、この場合でも、補正の項目を挙げ、要旨変更である点を指摘するのが鉄則です。なぜなら、事例から要旨変更が明らかであるという理由だけで、補正という措置をどこにも挙げないのであれば、補正という措置を知らない、あるいは検討できていないということで、項目落ちの可能性があるからです。不適切な措置でも、一応検討しましたが、事例から不適切でしたという思考、を採点者に示す必要があります。

ただ、不適切な措置を挙げる場合、
答案構成を工夫する必要はあります。
例えば、取り得る措置という大項目の前に、検討すべき措置(あるいは事例分析)などの大項目を挙げ、その中で、要旨変更を事例レベルで検討した後、補正も可能であるが、要旨変更になるので、適切ではない。と書いておけば、項目落ちにならないし、採点者にも理解が伝わります。

そして、取り得る措置の大項目の中では、事例から適切な措置だけを項目としてあげていくと、論述がスムーズに流れていくものと思います。勿論、適切な措置がポイントになりますので、この項目の内容を一番充実させる必要はあります。

上記構成であれば、
不適切な措置と適切な措置とをごちゃごちゃに混ぜて書いてしまうよりは、はるかにマシだと考えますし、論が流れ易くなると思います。

勿論、
唯一の答案構成というわけではありませんが、
ご参考にして頂ければ幸いです。

二度目の書き込みをさせていただきます。
論文の心証点大変参考になります。私はよくやってしまうのですがやはり「1(1)のように」というのは心証は悪いんですね。これからの答練で実践してみようと思います。
一つ質問があるのですが心証点2のほうで書かれていた矛盾する内容でも書くということなのですが,例えば意匠法において題意から要旨変更が認められる事例であっても拒絶理由などの回避措置として補正を記載した上で選択するべきではないと書くことも必要なのでしょうか?いつも他の受験生の記載を考慮して書くことにはしてるのですが、自分としては回避できないのなら書かないほうが流れが良いのではないかと思ったりもするもので。浅はかな質問で長文になってしまってすみません。
よろしければ回答お願いします。

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