« 懐かしいレジュメ発見!(その1) | トップページ | G・WはNHK留学! »

2007年4月26日 (木)

懐かしいレジュメ発見!(その2)

今日も、懐かしいレジュメ特集です。

今回は、弁理士独立開業編の自作マニュアルです。

これも、

前回のブログでアップしたレジュメとともに、LECのガイダンスのときに用いたものです。

もう5年も前の内容ですが、ブログに公開してみます。

これから、コネも、信用も、金も、何もない状態で、弁理士として独立開業される方、あるいは独立開業してから間もない方にとって、参考になれば幸いです。

それでは、独立開業間もない頃の初々しいレジュメをどうぞ!

<独立開業に至るまで>

弁理士 西村知浩

1.弁理士試験合格後

弁理士試験に最終合格すると、弁理士登録ができ、晴れて弁理士になることができます。特許事務所に勤務している人は、今後弁理士としての責任を持つことになります。多くの特許事務所では、弁理士になれば、今まで従事してきた特許出願業務およびそれに付随する中間処理に加えて、特許異議申立て、無効審判、鑑定、審決取消訴訟、侵害事件の補佐などを経験することができます。これは、弁理士ならではの仕事であり、非弁理士にはなかなか経験させて貰えない業務です。また、特許事務所では、仕事内容の変化に加えて、程度の差はありますが給料(弁理士手当など)も上がるようです。このように、特許事務所に勤務している人は、弁理士になった瞬間に自分を取り巻く環境が変わるので、これによっても、充実感を味わうことができます。

ただ、弁理士になったからといって、急に実務の実力がつくわけではありませんので、謙虚な気持ちで日々努力し、実務の実力をつけていかないと今後弁理士の急増により淘汰される運命になります。

以上のように、弁理士になると様々な変化を実感できますが、弁理士試験合格後に、いろいろな理由で企業から特許事務所に転職される方が多いのも事実であります。

2.独立への決断

特許事務所で何年か実務を経験した弁理士の中には、独立する弁理士もいます。弁理士試験を目指す人の中には、独立を目指してがんばっている人も多いのも事実であり、当然の結果です。

ここで、独立するとどのようなメリットがあるのでしょうか?

このメリットの捉え方は、人それぞれ異なりますが、共通して言えることは、仕事に対して努力したぶんだけ全て自分に返ってくることです。これは、信用面、金銭面すべてについて言えます。この点、勤務していると、どうしても勤務している事務所の一員として仕事をし、売り上げの何割かが還元されるだけです。しかし、独立すれば、全て自分の責任において良くも悪くも全て自分に返ってくるため、やり甲斐を感じることができるものと確信しています。

次に、自分の理想の事務所に成長させることができるというメリットがあります。どのような分野に長けた事務所にしたいのか、あるいはどのようなサービスを提供したいのかなどについて、全て自分の判断で決めることができます。この点、勤務していると、勤務している事務所の方針に合わせなければなりません。この方針に納得できるのであれば、何も問題はありませんが、お客様の立場に立つとどうしても納得できない事などがある場合には、自分の考えを変えない限り、その事務所に居づらくなることにもなりかねません。しかし、独立すれば、自分が理想とするような事務所を成長させていくことが可能です。

以上が私が思う主なメリットですが、これらのメリットは一概には言えず、人それぞれであります。

3.独立開業に向けて

独立には上記のようなメリットもありますが、いざ独立といっても、越えなければならない山がたくさんあります。

(1)1番目は、何と言っても、クライアント(仕事)を確保できるかです。

多くの弁理士は、特許事務所勤務時代に信用を築いたクライアントから仕事を貰うようです。つまり、弁理士と知的財産部の部長などのように個人のつながりで仕事を確保することが最も安全かつ効率的といえます。

しかし、前に勤務していた特許事務所とトラブルを起こす弁理士もいるようであり、弁理士倫理に反しないように慎重に事を運ぶ必要があります。間違っても、前の事務所の悪口を散々言って、客をこちらに引き付けようとしてはいけません。

なお、一からクライアントを確保しようする人は、当然ながら最初から営業活動を余儀なくされます。

(2)2番目は、コストの問題です。

独立すると様々な経費がかかります。

①先ず、一番大きな負担は、不動産に要するコストです。月々の家賃の他、最初に保証金を払う必要がありますが、この保証金は6ヶ月から12ヶ月の範囲で様々です。立地条件が良く、かつ新しいオフィスビルを借りようとすると、家賃や保証金は跳ね上がります。

私の経験では、虎ノ門や銀座エリアはかなり高く、坪2万円以上する物件がほとんどです。ただ、確かに安い物件もありますが、たいてい古い雑居ビルみたいなものが多いようでした。一般的に、中央区、港区、新宿区は、比較的高いと言えます。

一例として、賃料30万円、保証金10ヶ月を例にとると、最初に必要なコストは、30万円(前家賃)300万円(保証金)30万円(不動産屋手数料として1ヶ月の賃料)であり、合計360万円です。その他、これに消費税が加算されます。

なお、最初は、自宅を事務所として使用している弁理士もいるようです。コストはかなり低く抑えられますが、都心から離れた場所だったり、どうしても生活臭がするなど、不都合も多いようです。

②次に、事務所に搬入する什器備品などに要するコストもばかになりません。パソコン、コピー機、FAX、プリンタ、スキャナ、机、イス、棚、会議用テーブル、パーテーション、書籍など大きいものから小さい文具まで、幅広く揃える必要があります。これらも、合計すると、かなりの額になるので、ディスカウントショップなどをサーチするのも一つの方法です。なお、これら什器備品は特許事務所にとって必要不可欠なものです。

これらを揃えるには、通常、200万円~250万円が必要です。ただし、リース扱いにすると、決められたリース期間で分割し、分割した額だけ月々支払うことになります。リース扱いにすると初期費用を抑えることができる点で実益があります。

③さらに、特許管理ソフトなどを購入する場合にもそれなりのコストがかかります。特許管理ソフトは、必ずしも必要だとは思いませんが、特許の徹底管理やセキュリティ面を考慮すれば導入しても損はないと思います。この特許管理ソフトについては、後述します。

以上のように、3つのコストが代表的なものです。

独立するには、大体1000万円程度の資金が必要と思われます。

(3)3番目は、優れた人材の確保です。

先ず、単独で開業される弁理士と、複数人で共同経営される弁理士とに別れます。

単独で経営する場合のメリットは、全ての事に対して自分で決断することができ、努力が全て自分に還元されるという点につきます。この点は、やり甲斐にも結びつき、努力したぶんだけ充実感を味わうことができます。一方、デメリットとしては、全て自分の力だけでこなさなければならず、複数人で共同で行う場合と比較して、どうしても限界があるという点です。なお、このデメリットは、優秀な職員を雇用することにより解消します。

共同経営する場合のメリットは、何といっても複数人で力を合わせることができるという点です。具体的には、開業資金も増え、開業準備も分担でき、営業活動においても複数人の弁理士が所属しているとクライアントの受けがいいようです。一方、デメリットとしては、分裂する危険があるということです、特に、この業界の人は、職人肌の人が多く、何に対してもこだわりを持っています。また、普段仲が良くても、お金が絡めば人間関係も変わってきます。けんか別れということも珍しくありません。

なお、単独で経営する場合も、複数人で経営する場合も、クライアントのニーズに応えるべく、いずれ事務所員を雇用して充実させていく必要があります。特許事務所では、明細書を書く特許技術者、方式事務を担当する事務員、経理を担当する事務員、など全てが揃ってはじめて良い仕事ができるので、経営者は雇用するタイミングなど良く考える必要があります。これは、経営者にとってかなり困難な問題であり、永遠の課題だと思います。

4.私の場合

(1)クライアントの確保について

クライアントを確保するため、現在営業活動を始めています。以前からお付き合いのある人もいますが、最初は自分で一からクライアントを見つけようと思ったからです。弁理士倫理に反する問題はなく、クリーンだと言えます。

ただ、現在、各クライアントは出願件数を絞る傾向にありますので、新規事務所の介入はなかなか困難であるようです。現在お付き合いのある特許事務所に仕事を回すだけで精一杯という返答も良く聞きます。

そこで、他の特許事務所との差異を図るべく、当事務所ならではのサービスを提供する必要があります。お客様に使っていただけるようあらゆる工夫をして、営業しなければなんりません。この問題は、経営者としての力の見せ所になりますので、みなさん思いっきり悩んで下さい。

なお、すでにクライアントを確保できている場合は、とりあえず仕事はありますが、今後のことも考慮して、経営者の方は常日頃から営業方法を考えておいた方が良いでしょう。

(2)上記コストについて

①不動産については、

新宿区の新宿御苑近傍のオフィスビルに事務所を構えました。この近傍の相場も、坪18000円前後であり、比較的新しいビルでは、保証金10ヶ月は当たり前のエリアです。ただ、ご承知の通り、不況であるため、借り手はかなり強気に出られるようです。私もかなりオーナーと交渉しました。やはり、少々高くても、お客様に来て頂くことも考慮すると、それなりのきれいな環境が必要とも思われます。

②什器備品の事務機器については、独立した先輩の弁理士から新品を安く買える業者を紹介してもらいました。一般に中古品などはかなり安く買えるようですが、新品でも半額程度で買える方法があります。私の場合、通常の販売店で購入する場合と比較して、半額程度で新品を揃えることができ、かなりコストを抑えることができました。

なお、パソコン、FAX、コピー、プリンタなどの電子機器は性能も要求されるので、慎重に検討する必要があります。

③特許管理ソフトについては、私はコスモテック特許情報システム株式会社製の特許管理ソフトを購入しました。PAT-DATAPAT-WORLDという商品ですが、これらを用いている特許事務所も数多くあります。これらは数百万円する商品ですが、特許管理を徹底するためには必要不可欠なものと思っています。いい加減な管理をしてクライアントにご迷惑をかけることを考えると、安い買い物です。

これらの商品の詳細は、別途配布した封筒の中の資料に書いていますので、暇なときに一読して下さい。

(3)人材の確保について

現在の仕事のほとんどが営業に関連するものです。今後の営業次第では、事務所員を雇用することも考えています。お客様の様々なニーズに応えられる事務所を目指すためには、パートナー弁理士、特許技術者及び方式事務員は必要不可欠な存在です。

5.独立開業の準備

(1)先ず、不動産を決めよう

不動産を決めないと什器備品を搬入することもできず、その後の営業活動も遅れます。基本的には、会社や特許事務所に勤務しているときに不動産を決めておいた方が良いでしょう。不動産選びのポイントは、場所とコストです。まず、場所を確定し、その場所でいろいろな不動産をサーチしてください。

(2)不動産探しと並行して、什器備品を購入し、搬入予定日まで詰めておく

什器備品の搬入が遅れると、事務所の体裁を整えることも遅れてしまい、その後の営業活動が遅れてしまいます。また、現にクライアントがいる場合でも、満足な仕事ができないことになります。これらをいち早く搬入し事務所としての体裁を整えることが、事務所を円滑に経営するに当たって必要不可欠となります。

(3)特許庁及び弁理士会への申請が必要

①特許庁への申請

()電子出願プログラムCD-ROM交付請求書

(ⅱ)電子情報処理組織使用届

()事務所変更届

()住所変更届

以上の4つの手続きは必須手続きである。

他にもオプションとしていろいろな書面の提出が可能。

詳しくは、特許庁のホームページに説明されている。

②弁理士会への申請事務所名変更届の提出が必要である。

退職証明書の添付が必要

(4)電話局への申請が必要

①電話加入権の購入(購入しない方法もあるが電話加入権を購入した場合、月々の回線使用料が安くなるメリットがある)

ISDN回線の設置(特許庁指定→必須)

ADSL回線の設置(インターネット)

④プロバイダ契約など

(5)官庁への届出が必要

①税務署への届出

()個人事業の開廃業等届出書

()所得税の青色申告承認申請書

②社会保険事務所への届出

勤務していた事務所を退職すると、新たに国民健康保険に加入しなければならないが、最長2年間だけ健康保険任意継続が可能。

③市区町村役場への届出

()国民健康保険の手続き(②の届出をすれば不要)

()国民年金の支払い

③都税事務所への届出

税務署に届け出るのと同様に、市区町村役場や都道府県税事務所などにも届出が必要。

以上ですが、

口頭での説明の順序を示したレジュメといっても、

文章がカタク、かつ、ヘタクソで、恥ずかしいです。

普段のブログの文章と比較しても、差が明確ですね。

逆に言うと、

私の文章力もそれだけ進歩したということかな?

なお、上記レジュメの内容は、5年前のものです。

家賃など、時代や景気と共に変動するものは、現在に通用しませんので、ご注意下さい!

« 懐かしいレジュメ発見!(その1) | トップページ | G・WはNHK留学! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 懐かしいレジュメ発見!(その2):

« 懐かしいレジュメ発見!(その1) | トップページ | G・WはNHK留学! »

2022年1月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
フォト
無料ブログはココログ