今日は、独立開業して実際に感じたこと、
事務所経営の弁理士と話していて考えることについて書きます。
私は、4年前に32歳の若さで独立したのですが、
当時は、不景気真只中で、
どの事業もあまり良いニュースはありませんでした。
我々弁理士業も例外ではなく、
特に、私は何のコネもなく独立したので、
営業で打ちのめされる日々が続いていました。
そんな中、感じたことは、
無名の若い弁理士が営業してもあまり相手にされないことでした。
既に特定の弁理士事務所とお付き合いがあり、新規は不要という一言で、片付けられることが多く、
胃に穴があくような日々をすごしていました。
そして、
お断りをいただければまだいいのですが、
冷やかし半分で対応してくるお客様もおり、
こういうお客様からは、ディスカウントの要請がかなり強くなることが多かった。
結局は、お客様から見れば、
こちらから営業をしているので、お客の立場が上になり、
やはり足元をみてくるのでしょう。
しかし、料金の問題は、弁理士倫理のトラブルにおいてもよく取り上げられる問題です。
あいまいにしたり、どちらか一方が他方に対して無理をすると絶対にうまくいかないのです。
特に、弁理士が忙しくなると、このような関係は長続きしません。
また、このような足元をみてくるお客様や、高圧的な態度のお客様と話していると、
私も決して良い印象を抱きません。
結局、商売というものは、人と人との繋がりなのです。
心と心の繋がりなのです。
お金を払うから何でもありというものではありません。
客なら客としての態度があるのです。
私は、このようなときお客様の心を伺います。
この人は、どのような人間なのか、
具体的には、この人と取引をして、
人間的にもお互いに成長していけるのか?
お金だけというのも、なんだか寂しいものです。
お客様が命懸けで事業を起こし、少しでも事業を進めて世の中を便利にしたいという気持ちが伝われば、
私も心の熱い人間なので、
応援したくなります。
一方、お金を払う側が偉いという勘違いに基づき、
自分勝手なことをぶつけられると、
こちらからレッドカードを出してしまうことになるのです。
このような葛藤は、独立当初によくありました。
お金のために、魂を売るものか。
という心の問答をよくしたものです。
最近、これを思い出すケースがありました。
事務所に電話がかかってきたのですが、
いきなり、名前も名乗らずに、
「おたく、○○できる??」
という結構強い口調で話してくる、中年のおっさんでした。
「はぁ?」
馬鹿者のいたずら電話かと思いました。
電話での話し方は、
「こちらは●●と申します。」
から始まります。
上記の話し方の時点で、
私は、相手の心にレッドカードを感じ、
まともな取引につながらないことを瞬時に察知するのです。
結局、
「うちではやっていません」
の決まり文句でお断りさせて頂きました。
礼に始まり、礼に終わる。
少なくとも、この心得くらいは示して欲しいものです。
最近のコメント