自由人+小金持ち
先日、ある士業の方とお話する機会がありました。
既に独立開業されている方ですが、事務所や会社を大きく経営しているというよりも、
フリーランスとして活躍されている方です。
小規模事務所をしている私も、どちらかというと、フリーランスの立場寄りですので、興味深く聞いておりました。
ただ、フリーランスといっても、独立して、クライアントから仕事を頂いて成立しますので、
経営的な負担や所内資源整備が軽減(ゼロではないが)されている以外は、大きな事務所を構えている経営者と変わりありません。
その方は、中小企業診断士として、予備校の講師や企業の診断業務をされています。
一番印象に残ったのは、
「自由人+小金持ち」という台詞でした。
このことを私なりに解釈してみました。
確かに、活躍されているフリーランスの方は、ご自身で仕事やスケジュールを決めることも可能ですので、時間の自由な使い方が可能になります。
納期はあるにしても、その納期までに完了すれば何も問題はありませんので、
例えば、納期まで、1ヶ月あるということですと、最初の2週間は、別の仕事ができますし、また、遊んでいても良い。
まぁ、通常は、最初に納期付の仕事を完成させますが、会社に勤務されている方のように、何時までに自分の机に着席して、何時までに全体会議などというようなこともありません。
夜型人間であれば、午後出勤して、夜中まで仕事することも可能ですし、
朝型人間であれば、通勤ラッシュを避けるようにして朝6時に出勤し、午後3時に早々に帰宅するということでも良いのです。
このような意味で、「自由人」を定義するのであれば、それは幸せなことだと思います。
「小金持ち」については、フリーランスの場合、ピンはねされることがないということでしょうか?
我々の特許業界では、事務所勤務すると、
「自分の売上げ」-「ピンはね分」=給与
になります。
ピンはね分は、事務所経営者の事業(経営)に必要な資産、負債をカバーしたり、経営者の利益分を確保するために必要なものです。
特に、「利益分」のピンはねが大きい場合には、経営者を肥やすために、自分の給与が減ることになります。
これがフリーランスだと、「自分の売上げ」から諸経費を引いた分が給与になります。
「諸経費」もある程度は自分で決めることができますし、他人の懐に入る「利益分」をみかじめ献上することはありません。
つまり、効率良く稼ぐことができます。
これが「小金持ち」になれるという根拠でしょうか。
当然と言えば、そうですが、フリーランスの場合、他にも大きな効果があります。
「自由人」とは、自分の時間の大部分を確保し、自由に使えることです。
「小金持ち」とは、利益率が良いために、短い労働時間で多くの報酬を稼ぐことができることです。これは、自分の余暇時間を増やす効果もあります。
「自由人」+「小金持ち」が実現すると、両者の相乗効果によって、自分の自由にできる時間をかなり確保することができます。その時間は、膨大な時間になります。
この膨大な時間に、自己研鑽、研修、勉強、趣味、事業の拡大に必要な営業など、好きなことができます。
これによって、新たな自分を築いていくこともできます。
ただ、フリーランスの場合、自分でお客様を確保していく努力は必要ですし、また、努力してもその保証もありませんが、
勤務していても、勤務している会社や取引先が倒産するリスクもありますし、リストラされるリスクもあります。
特に、最近の特許事務所では、リストラが進んでいるということも聞きますので、事務所勤務が安泰ということはありません。また、事務所に残れた人も、リストラした分だけ、過剰ノルマが発生するので、残業代や実績が反映されない場合、利益率も下がります。
現在のような乱世では、フリーランスという立場で活躍することも面白いと感じました。
先の中小企業診断士の先生も、自分を立てていく手段として、「フリーランス」を選ばれていますので、大変良い刺激になりました。
私は、提携先以外の異業種交流会にはあまり参加しませんが、
たまには、他の士業の方のお話を聞いてみるのも、面白いものですね。
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