特許明細書作成のワンポイントアドバイス!
特許明細書作成に当り、私なり、思う点を記します。
私の場合、
特許明細書を作成する順序として、
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●特許出願の受任・ヒアリング
発明の把握
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特許図面の手配・作成
★ここまでが準備段階
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★ここからが実際の書く作業
従来技術・問題点の記載(頭脳勝負)
↓
請求項の記載(最重要・頭脳勝負)
↓
請求項で実現できる作用・効果の記載(頭脳勝負)
↓
実施例の作成(技術知識が必要な畑仕事:体力勝負)
↓
変形例の作成(技術知識が必要な畑仕事:体力勝負)
↓
すべての実施例を含む請求項になっているかの確認(頭脳勝負)
↓
図面の符号入れ(体力勝負)
↓
完成
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以上のような流れになります。
ここで、特許明細書作成には、頭脳勝負の面と体力勝負の面があることがわかります。
実際の話、特許は難しいのですが、
それに対応できる頭脳と体力がなければ、良いものができません。
ここで、請求項の記載は最も重要なポイントになりますが、
発明の上位概念化・中位概念化・下位概念化を表現できるスキルが必要です。
お客様が持参された発明品(極めて限られた具体例)をみて、
その発明品に内在する技術的思想を抽出していかなければなりません。
発明品を、単にそのまま特許明細書にしたものは、品質不良の明細書といえます。
極めて狭い特許しか手に入らず、意味がありません。
そして、その請求項ですが、
慣れてくると、発明品を見て、一発で上位概念を抽出することも可能です。
しかし、一発目で考えた上位概念は、構成要件を的確に捉えていても、
よく検討すると、
請求項2や請求項3候補のものにしかならないことが多いのです。
自分が上位概念と考えた請求項をさらによく検討してください。
ベテランにとっても、これが結構重要だったりします。
私の場合も、初稿の請求項1では、やはり狭いことが多いです。
私が請求項1として考えたものをたたき台にして、
さらに、上位概念抽出して理想的な請求項1を作成する必要があるように思います。
もちろん、従来技術との兼ね合いもありますが、
技術的思想だけのチャレンジクレイムが存在していても良いと思っています。
私もまだまだ修行の身ですが、
それだけ特許明細書の内容は奥が深いものです。
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