友人からの紹介には注意を!
先日、友人からお電話を頂き、私(弁理士)を紹介したいという申し出がありました。
私は、いろいろな方からお客様の紹介を頂いており、このような紹介は大変有り難いものです。
早速、2つ返事で、相手側と面談いたしました。
発明の内容について充実した議論でした。
先行技術調査をすると、
特許になりそうなので、発明の概念化も含め、明るくお話をしていました。
ところが、費用のお話で雲行きが怪しくなります。
私の時間や明細書の分量などを考慮して、見積を提示していましたが、
高いということで、値切られました。
紹介ということもあるので、
1度目の値切りには前向きに応じました。
そうすると、また、値切りを要求されたのです。
これに対して、
友人の紹介ということもあるので、
再度の値切りに応じなければならない気持ちもあります。
しかし、私の頭では、断りの理由を探していました。
結局、友人を立てて、
再度の値切りに応じ、心にもない金額の見積書を作成いたしました。
そうすると、また値切り…。
これをあと、2~3回、繰り返しました。
流石に、私もブチ切れてしまいました。
その相手には、いろいろ理由をつけて、丁重に仕事のお断りをしました。
話は、これで終わりではありません。
そうしたら、先生の言い値で良いので、仕事を受けてほしいと相手側から譲歩してきました。
この瞬間は、私の相手に対する信頼は無になりました。
今までのやり取りは、単なる時間の浪費でした。
しかし、私は、次のお客様の仕事に着手していたので、結局は、断りました。
●後日談
この方は、別の弁理士を使って、出願されたようです。
その弁理士の費用をホームページで確認すると、私の最初の見積額よりも高い金額でした。
もちろん、その弁理士がいくらで仕事を受けたか、交渉があったのかは定かではありません。
私よりも高い金額を支払っていたのであれば、その方は少なくとも金銭的には損をしたわけです。
●考察
弁理士業などのサービス業は、お互いの信頼関係があってはじめて成立するものです。
これは、特許庁に対して、共同作業になる要素が大きいので仕方ありません。
決して、費用だけで決められるものではありません。
相互に言いたいことを本音で言えるか否か(非常識な要求は論外ですが)、この深さが必要と思います。
過度な値切りの要求は、正当な料金(相場料金)を提示している者にとって、信頼関係に悪影響を及ぼします。
過度な値切りの要求は、言い方を換えれば、一方の都合のみを優先させた結果になるからです。
人情味溢れ、ボランティア精神が旺盛な弁理士が存在するとしても、
事務所の経営や利益を考えると、
そのような値切の無い他のお客様を優先させることになるでしょう。
そうなると、その方に、充実した良いサービスを提供することが難しくなります。
相手は紹介されたということで強く出てきたのだと思います。
しかし、反面教師ですが、
あまり欲をかきすぎると、却って大きなものを失うことを身をもって実感しました。
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