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2012年7月10日 (火)

米国特許出願の拒絶対応でストレスたまりますか?

米国特許出願の対応でストレスを感じる人が、意外に多いと聞きます。

何をかくそう、私もそのうちの一人(でした)。

ストレスの原因は、おそらく以下の要因によるものだと思います(英語が苦ではなく、対応できるという前提です)。

その1)現地代理人による提案がない

その2)現地代理人の費用が高い

その3)引用例との比較で、こちらの主張がなかなか通らない(何度も拒絶される)

そこで、

上にあげたストレスからどのようにすれば、解放されるのか?

(その1)

 その1は、現地代理人との契約やコミュニケーション不足によるものだと思います。

 

 現地代理人は、何か仕事をする度に、タイムチャージ等により請求するようなシステムを持っているケースが多いものです。

 依頼がなく、勝手にサービスして、費用を払ってもらえないということになれば、時間ロスが発生するので、何もしません。

 逆に、このような事務所は、良心的と考え、こちらが何をどれだけしてほしいのかをしっかりと伝えることが重要です。

 依頼せずに勝手に仕事をしておきながら、後で高額請求してくるボッタクリ事務所よりは、よほど良い事務所だと思います。

 米国弁護士に依頼するときは、通常、依頼人から、かなりの裁量権が与えられているようです。

 日本人が米国弁護士を利用すると、いろいろ細かく制限されて、かえって仕事がやり難いという意見もあるようです。

(その2)

 確かに、米国弁護士事務所の費用は、高い印象を受けます。

 世界的に展開している大きな事務所になればなるほど。

 対応としては、当然ですが、事前に見積をとります。

 何にどれだけのチャージがされているのかを確認します。

 これも当然ですが、不要な仕事は依頼しないことです。

 

 しかし、以上は、根本的な対応になりません。

 突然やってくる予期しない請求書を防止するという程度のものです。

 

 やはり、米国事務所でも比較的リーズナブルな事務所もありますので、

 紹介などにより情報を仕入れる努力が必要です。

 

 いろいろな事務所に見積りをとり、

 思い切って、ダンピングをしてみましょう。

 常に、言い値に従う必要もありません。

(その3)

 

 その3は、日米の審査実務の違いによるものだと断言できます。

 例えば、新規性に対する反論をしてみても、日本の実務は、構成の他に、作用効果を主張する意見書も少なくありません。

 これは、日本の実務では、新規性判断にある程度の構成の誤差を認めているからだと思います。

 一方、米国は、新規性違反の反論に対し、構成だけでガチンコ反論します。

 クレイムの構成をひとつひとつ対応して検討します。

 作用効果を主張してもあまり意味がありません。

 

 米国の審査官は、クレイムを新規性で拒絶する場合、その対応関係を明示しなければなりません。

 日本のように、「引用例1~3により明らかである」というような拒絶理由は有り得ません。

 

 ストレートで物事を考える人は、米国実務の方が、行間を読まなければならない日本の実務よりも、対応し易いと思います。

追記:

弁理士として苦労する点は、クライアントに説明するときにあるようです。

理解の良いクライアントであれば、問題ありませんが、

「私の発明がなぜ米国で特許にならない?日本で特許になっているのに」このようなことを前提に考えているクライアントに対しては、説明に疲れ果ててしまいます。

私は、こちらのストレスの方が大きいですね(笑)。

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