昔から、弁理士に要求される能力として、
主として、技術・法律・語学の知識が挙げられています。
実際は、これにコミュニケーション能力が必須になります。
あと、自分で開業している人は、営業能力が必須。
技術経営のコンサルティングしている人は、それに関連する知識や判断が必要です。
弁理士として、重要なのは特許実務であり、判例や審決例の研究は当然ですが、
何よりも技術理解能力がなければ、話になりません。
私は、弁理士の技術理解能力こそが、特許弁理士の生命線であり、存在価値だと考えています。
そして、この技術理解能力を高めるためには、
何よりも、自身の技術知識が豊富であることが大前提です。
技術知識をインプットするためには、日頃から専門書を読破するような習慣付けが必要と思います。
今、直面している案件の技術をその都度、覚えていく方法も効率的ですが、
これだけでは、進歩が遅くなる可能性があるため、自分で時間を作り、進んで、技術専門書を読破していく。
このような姿勢が必要かなと思っています。
最近、私が重宝しているのが機械実用便覧(日本機械学会編)です。
コンパクトで、機械工学全般がうまくまとめられています。
電車の中や、あるいは机に向かって、手を動かしながら、技術に触れていく。
このような、ちょっとした努力だけでも、技術知識のレビューができます。
弁理士に技術理解能力があるということは、
発明者が発明したものを正確に理解することはもちろん、
発明者との打ち合わせ内容を濃くしたり、一をきいて十を知ることが可能になり、話が早くなります。
このことは、顧客満足を高める結果になり、
ひいてはその弁理士の存在価値も高めることにつながると思っています。
私は、機械工学出身ですが、こういった努力を電気電子、化学の分野でも行います。
専門書代もバカになりませんが、これも自分への投資です。
私は、弁理士になって10年を迎え、40歳になりました。
独立開業もしました。
この歳になって、そしていろいろな経験を経て、
ようやく、弁理士は一生勉強という真の意味を理解できたかなと思っています。
日々、努力。
自分の刀を磨く毎日です。
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