【特許審査】進歩性クリアの基本
特許審査では、進歩性違反の拒絶理由通知をもらうことが多いですね。
例えば、請求項の記載がA+B+C’
として権利を狙いに行く場合を想定します。
このケースでは、請求項に最初から、
A+B+C’と記載して、特許査定になる場合もありますが、
やはり、
最初は、A+B+Cという技術的思想を作り上げ、
CがC’であるという記載をする方が進歩性有りの可能性が高くなります。
式にすれば、
A+B+C+C’
ただし、CはC’の上位または中位概念。
請求項の記載では、
上位概念から下位概念に向かって記載していくことが通常ですが、
上位概念からいきなり下位概念に落ちる書き方も散見されます。
請求項の数が多くなると費用が高くなるので、限度はあるものの、
やはり、多少の費用が余分にかかっても、
上位概念⇒中位概念⇒下位概念
という流れで丁寧に構築していくべきだと思います。
特許審査では、
上位概念は進歩性違反でダメだけれども、下位概念はO.K.というケースが多く存在します。
この場合には、中位概念であれば、進歩性をクリアしていたかもしれません。
後の補正で追加する場合には、新規事項追加やシフト補正に該当してダメと言われるかもしれません。
このように事情もありますので、
出願当初から請求項の広い・狭いを丁寧に検討し、段階的に、かつ多面的に記載していくことが重要です。
それで、請求項数が10、あるいは20以上になっても、
必要投資と考えるマインドが出願人に必要です。
請求項が多くなると、
費用が余分にかかるというケチな考え方は捨てる。
(捨てられない場合には、最初から実用新案を考えることも必要)
進歩性の判断、
特に明確ではないグレーゾーンの判断では、
ある意味、出願人(代理人)と特許庁審査官とのチキンレースです。
特許庁審査官側は、権利範囲を狭くしたいし、
出願人側は、広くしたいものの、
費用が余分にかかったり、全て拒絶になったり、時間がかかったりなどを考慮して妥協しがちです。
このとき、代理人は、腹をくくって、出願人をサポートしつつ、審査官とうまく調整していく必要があります。
このような力は、スキルも当然ありますが、
面倒見の良さや人間力がものを言います。
最近、つくづく感じます。。。
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