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2018年1月17日 (水)

弁理士はAIに代替えされる運命…?

弁理士はAIに代替される確率が90%を大きく上回ったそうだ。

http://www.npc.bz/marketing/20170928

代替え候補の士業は、行政書士、税理士、そして弁理士。

商標出願は価格競争になっており、また弁理士が在籍する自治体でも願書を作成するサービスもあるので、出願資料の作成に伴う負担は、実質的に印紙代のみ…

その部分をAIやロボットを使って自宅で願書を作成できれば、遠方へ出かける必要もない。

知財サービスを自治体が受け持つのが歴史なら、近い将来、そこはAIにとって変わられるのも、これまた歴史である。

このような研究発表があれば、既存勢力やら何やらで反論する立場も出てくる。

しかし、こうした情報に耳を塞いだり、自論ばかりを反論するのではなく、

謙虚に受け止め、今後の対策に活かすことが顧客にサービスを提供する者の真の姿勢ではないのかね??

このような研究結果に至るのは、

弁理士のサービスに価値がない、あるいはその価値が認識されていないからである。

そもそも、弁理士の専権業務は、

特許庁に対する手続代理がメインであり、本来的には手続の方式にある。

特許手続の対象、すなわちコンテンツは、クライアントが提供する。

発明者が発明したり、デザイナーが商標ロゴを考えるわけだ。

これを特許庁が規定する手続に沿って手続代理するのが弁理士の役目。

しかも、手続代理であって、特許査定を約束する請負契約ではないのだ。

●弁理士の業務は下記の方程式で分解することができる(筆者が作成したもの)

暗黙知の形式知化(無から有を生む創作的価値)

   ↓

発明の完成 + 手続 = 権利化

            ↑

          形式知の特許手続化(情報の形式変更)

大企業には特許部があり、そこに弁理士や知財部員が社員として在籍している。

彼らは発明者との多くのやりとりを繰り返し、『発明の完成』に寄与するわけだ。

その完成された形式知を外部の特許事務所に依頼し、特許書類にまとめ特許庁へ出願を行う。

しかし、その依頼時には発明はすでに完成されており、その後の作業は、形式知の記載を特許庁の方式に従って編集する形式化作業に映る。

その形式知で表出された情報の編集作業は、いまや、誰もがコンピュータを使い、将来的にはAIが行う領域になる。

よって、発明提案書や原図を作成した知財部員からすれば、

特許事務所に依頼するステップでは、クリエイティヴな要素がなく、単なるデータ加工に映るのだと思う。

事実、JAISTの同学で、誰もが知る大きな会社の社員がいる。

先日、ゼミで議論できたので、この点についてインタビューしてみた。

そうすると、やはり、発明者は、弁理士を『単なる代書屋』としてしか見ていない。

反論多くある気持ちもわかるが、上記の方程式で分解すれば、発明者の視点からはそのような映っても仕方のないことであろう。

我々弁理士のサービスも、他と同様に、

我々自身が評価するのではなく、顧客が評価するものである。

特許庁における手続面で難しいことを余儀なくされているのは、そこをわざわざ難解にすることで自分の立場や存在を守ることに映ってしまうのだろう。

世間の弁理士は、しきりに専門能力の高さを口にすることがあるとしても、

それをサービスとして考えたときに、クライアントが便益であると感じなければ、単なる自己満足になる。

お金をとれないのだ。

クライアントがあってこその商売(商取引)だからここに異論を出すのは、

今の時代、受け入れられないだろう。

よって、大企業の単なる下請け的な取引慣行は、今後はAIにとって変わられると考えてよい。

特許翻訳も同じである。

言語同士の変換についても形式知の編集の域を出ないので、そこに創作的価値は無い。

語学に関する専門能力は必要だけれど。

専門能力≠創作的価値なのだ。

今の時代、手続の代理・代行に関して価値が見出されない大きな理由も、この考え方で全て説明がつく。

価格競争の原因は、同業者の増加よりむしろ、

我々のサービスに価値を認められないから、お金を出せないのだ(お金を出さないのではなく…)。

これもインターネットによる情報の無料提供によるものだといえる。

スマホやPCからの情報過多に陥り、需給の当事者間において、所有する情報量に差がないのである。

情報の非対称性を利用して利益を上げてきたサービスに、

お客様はNOと言っているのだ。

士業だけではなく、医師や歯科医の医療サービスも同類である。

AIの代替というショッキングな研究結果が発表されると、

それに反論するのはいかにも容易で、結構なことであるが、

今までの自分のサービスを省みて、

クライアントにとって何が価値あることなのかをよく考える姿勢が必要である。

クライアントとの関係性においてWIN-WINが実現できなければ、

そもそもそんなサービスは、この世から淘汰されるのが自然なのだ。

いかがでしょうか…

私は何か間違ったことを述べているでしょうか?

弁理士業界のさらなる発展のため、時代の流れを謙虚に受け止め、

常に自己研鑽に励み、

需要者にとって、真に価値あるサービスを提供していく真の努力が必要なのだと。

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