今日は、私の49歳の誕生日です。
ブログで初めてカミングアウトする内容ですが、
彼此6年間、私は日本医大病院で経過観察として毎年MRIをとっています。
話すと長くなるのですが、
発端は、7年前、私の右足の大腿部の中に出来た「しこり」でした。
あるとき、不意に右足に触れると、ビー玉みたいなものが手に触り、その後、しばらくの期間を経て猛烈に痛くなったのです。
太ももの表面からも膨張部としてわかるくらい腫れていました。
自力歩行もやっとのことで、痛みも継続していたため、近所の整形外科で診てもらいました。
レントゲンは異常なし。触診で確かに太ももにしこりのようなものが触れると診断されました。
もし気になるのなら、大きな病院を紹介すると言われました。
それで自宅に帰り、インターネットで同じような症状を検索する日々。
インターネットの記事では、筋肉腫などの悪性腫瘍の記事が多くあり、予後が悪いなどと記載されている記事も散見されました。
だんだんと恐怖を覚え、もし悪性だったら、最悪の場合、親よりも早く死ぬことになり、恐怖とともに、親や家族に、大変申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
当時は42歳、まだまだやりたいことがたくさんあります。
それで、藁をも掴む思いで、整形外科の名医を検索しました。
幸い、隣の市に、オリンピックのドクターを務めた整形外科の名医がいるとのことで、通院しました。
ドクターは『レントゲンは異常なし、触診も「しこり」ではないが、5ミリくらいの腫瘍状病変がある。』と診断されました。
近くにある大きな市民病院に紹介状を書くから、MRIの検査をしてくださいとのことでした。
市民病院まで家族で行き、私ひとりが、着替えをして、生まれて初めてMRIの部屋に入ります。
耳栓して、ヘッドフォンをして、騒音を遮断します。
検査時間は約30分くらいでしょうか。検査途中は緊張の連続でした。
MRI検査が終わり、服を着ていると、放射線のドクターが通りかかり、どこかで足をぶつけたの?と聞かれました。
確かに右足をぶつけたのですが、それが原因でしこりなら血種であることも勉強していました。
しかし、かなりの期間が経っていたので血種のような感じではないことも薄々感じていました。
しばらくしてオリンピックドクターにMRIの結果が移送されたということで、その病院から呼び出しがあり、出向きました。
そうすると、私の右大腿の中に2センチくらいの白い影がみえます。
その瞬間、私は絶望のどん底に突き落とされた感じがして、茫然としてドクターの話もよく聞き取れませんでした。
ただし、オリンピックドクター曰く、この画像は悪い顔をしていないから、悪性ではないだろうとのこと。
その言葉で心が救われました。
診断結果は、腫瘍状病変。
組織の何らかの異常という意味です。
それから痛みは引いていきましたが、しこりが未だに認められるので、2か月くらいはオリンピックドクターの病院に通っていました。
病院に来ても治らないことは承知していましたが、不安な気持ちで鬱になりそうだったので、ドクターと会話することで楽にしていたのだと思います。
素人によるインターネットの病気の検索は、心の平和にとってよくありませんね。
オリンピックドクターは、いつも大丈夫だよ、という回答でした。
しかし、不安に支配された私を見て、とうとう軟部腫瘍の専門医に紹介状を書いてくださいました。
その専門医が現在、経過観察をして頂いている日本医大のドクターです。
日本医大でもMRIをとりました。
専門医は、悪性は画像の顔つきに特徴があるが、あなたの画像はそれではないと言っていただきました。
オリンピックドクターと同じ見解です。
しかし、大学病院ということもあり、念のため、細胞を採取して病理検査するということで、長さ30センチ以上、直径3センチ以上、10センチ近くの巨大針がついた注射器(というか工具)を取り出しました。
エコー検査で腫瘍状病変部の場所を探りながら、私の太ももにマーキングしていきます。
巨大な針のため、私は恐怖を覚え、家内にタオルをもらい自分の口に入れました。
麻酔がなかったため、巨大な注射針が太ももの内部に刺さった瞬間に猛烈な痛みに襲われると思い、タオルを噛んで耐えようと思ったのです。
ところが、幸い、麻酔がなくても、痛みを感じません。
注射針が患部に到着したタイミングでリールを巻くようにして細胞を吸引していかれました。
私にとっては5分くらいの採取時間に感じましたが、実際はもっと短かったと思います。
採取の終了後、別のドクターが待機して何やら会話されています。
「もっと水分が出ると思ったけれど、肉が多い」
生々しく、聞くのも堪えられませんでした。
その後、病理検査で悪いものは出ませんでした。
安堵とともに、最悪のことを考えていたので、涙が止まりませんでした。
親孝行できる、家族を路頭に迷わさずに済む、仕事が継続できる、いろんなことに挑戦できる、頑張れる・・・・
感謝でいっぱいでした。
あれから6年が経過します。
毎年1回、日本医大病院で下半身のMRIをとっています。
悪性なら今頃もっと大きくなり、無事でいられません。
良性だけれども大きさのチェックとしてMRIをとっているのですが、ここ最近は、その影が小さくなってきました。
私の驚異的な回復力に期待したいです。
10年くらいは経過観察を続けるのかもしれませんが、私も気になるので、専門医のご厚意に感謝しています。
ということで、一時はどん底を経験し、ご飯が喉を通らず、体重も65キロ(身長175㎝)に減りました。
しかし、あれから6年、元気で仕事と勉強ができていることに感謝の念を覚えざるを得ません。
短時間で大きくなったり、小さくなったりしていたことから、おそらく良性の血管腫の一種であろうとの見立てです。
血管腫は腫瘍ではなく、一種の奇形細胞に類分けされています。
軟部腫瘍の専門医曰く、この種の病変はわからないことばかりだと言っておられました。
現在は、膨張はなくなり、大腿筋内に小さく固定している病変ですが、血管腫は手術で除去しても再発する可能性もあるとのことで、手術をせずに、経過をみましょうに至っています。
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