出願した商標に識別力がないとして商標法3条1項3号が適用されて拒絶されたケース。
意見書では、3条1項3号に該当しない旨の主張を行います。
経験のない弁理士や商標担当者におかれては、商標の類否という専門書があるので、これを参考にしてみればよいと思う。
あと、意見書の作成例があげられた書籍も販売されています。
こちらはタイトルは忘れましたが、商標専門の弁理士が執筆されたもので、私も座右の書としています。
ところで、3条1項3号に該当しない旨の反論は定石として、
他に、出願商標を現在使用しており、バズったりして相応の拡散力を有している場合、3条2項を主張することが有効です。
3条2項は、3条1項3号の規定に関わらず、使用により識別性が認められた場合に登録するという規定です。
意見書では、使用事実の説明と、3条2項の要件の適用を丁寧に説明します。
このとき、使用事実の実績を示す資料が必要になります。
意見書をオンラインで提出する場合には、証拠資料をオンラインで提出することはできません。
このため、意見書の提出日から3日以内なら手続補足書、それ以降から手続補正書を表紙として紙面で提出します。
証拠資料を提出する場合には、電子化手数料は要求されません。
この3日ですが、特許庁の部署に問い合わせると、大体7日から10日くらいまでは手続補足書で提出されていても認められるようです。
この場合の手続補足書の補足対象書類は、『意見書』になります。願書ではないので注意してください。
裁判を経験していると、
証拠資料には、甲号証や乙号証を付す必要があると考えがちになりますが、当事者系ではない意見書には、その区別は不要。
単に、資料1、資料2、資料3、・・・と記載していけば良いです。
拒絶理由を受けて、出願商標を使用している実績があれば、積極的に証拠を提出して3条2項の適用を受けることをススメます。
3条1項3号に該当しない旨の主張と共に3条2項の適用を主張しておけば、登録査定になる確率は高くなります。
3条2項の適用にあたっては、商標がバズってツイッター等のSNSで記事が投稿されている事実が客観的に証明できる場合には、その一部でも良いので、資料をプリントアウトして特許庁に提出しておくことが有効です。
リアルタイム検索等で、出所表示とともに、出願商標が入力されているツイートがあれば、特定の識別力のある商標であることを示す有力な証拠になるはず。
3条2項の適用はハードルが高いと言われていますが、くれぐれもセルフ・ジャッジは禁物。
とにかく数年間使用していて利用者に一定の認識があると認められるケースでは、3条2項の適用を主張しておくべきです。
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