私が独立したとき、今から約20年前、士業事務所のホームページはまだ少なかった。
とりわけ弁理士だけは、極端に少ない印象でした。
それが約15年前までには、弁理士もホームページを持っている事務所が多くなった。
しかし、ホームページといっても、内容も薄く、ページ数も少ないものが主流であった。
それだけ、ホームページの制作も更新も面倒でスキルがいる時代でした。
確か2006年~2010年くらいにはブログが主流となった。
当ブログも2006年に始めたもの。
その時代からブログが流行りだし、ブログでホームページを兼ねるものが多くなった。
ブログなら、制作するのも、更新するのも、特段のスキルは不要であり、誰でも簡単にブログを持つことができる。
またホームページの制作費用にしても、破格のような安さになった。
このため、あらゆる士業で、特許事務所でも、ホームページをもつ時代になる。
同時に、士業の顔として、自分の写真をトップページやヘッダーに挿入することも流行りだした。
ひとり事務所で開業したときに最初にとりくむことが、認知度を上げること。
ブログ形式なので、SEOにも強いというのが魅力的でした。
しばらくその時代が続いたが、近年では、ブログ形式が少なくなり、ワードプレスやJimdoなどで標準化が進んできた。
SEOの主力は、ブログ型からワードプレスやJimdoなどにかわっていく。
ところで、最近では、これらの標準化されたツールを使ったホームページを作成しても、ネットには同じようなサイトがたくさんあるため、SEOが効かなくなっている。
特に、単に薄いコンテンツで作られたホームページは、読者も魅力を感じず、仮にリーチしても、すぐに離脱するようだ。
この理由は、ホームページはネット上のアドレスだから、ネット上にホームページのアドレスが増加すれば、検索するお客様が自分のホームページにたどり着く前に、別のホームページで目的を達成している。あるいは、たくさんの魅力あるホームページとの競争が生じている。すなわち、自分のホームページにたどり着けないか(アクセス数が少ない)、たどり着いても他所のホームページとの比較で負けているか(離脱が早い)、である。
これは不動産である住宅事情と同様であり、家が増加して住宅密集地が出来上がれば、お客様が目当ての家を探しにくくなるの同じです。仮に目当ての家を探し当てても、隣の家と比較して、その結果、隣の家に行く場合と、どこか似ている気がする。
最近のウェブサイトの戦略は、とにかくコンテンツを充実させること。
1年くらいコンテンツをため込んで、ウェブサイトを完成させていくという気の遠くなるような作業が必要になります。
これを外注に継続的に依頼すれば、外国の高級車が購入できるくらいの費用になります。
もうひとつ重要なことは、
単にコンテンツを充実させればよいというものではなく、UIやUXが良くなければ、途中で離脱することになります。
できれば、アクセスした人の射幸心をあおり、ウエブサイト内でぐるぐる見学してくれるような動線や標識を創れるか否か。
これは店舗経営と同じで、記事にマグネットをおいたり、特集コーナーを設けたりして、サイト内で回遊度を上げていく工夫が必要になります。
これらのことは、人の主観に基づくものであり、制御することは困難ですが、
その反面、なぜかわからないが成功したという士業もいる。
そこで、弊所のウェブサイトですが、基本的に私の手製です。
綺麗なデザインのホームページは不要と考えており、誰でも入れるような美味い定食屋のようなものにしたいからです。
メニューもプリントアウトされたものではなく、手書きメニューが並んでいる。
店の中である程度時間を過ごすことができ、居心地も悪くない。
ウェブサイト戦略というのは、どこか飲食の差別化戦略と似ているんです。
綺麗なデザイン=高級フレンチを好むお客もいれば、
手書きデザイン=和食ダイニングを好むお客もいる。
そう考えると、ウェブサイトを制作したり、更新する作業も楽しくなる気がします。
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