ツイッターでアスタリスク社の鈴木社長と会話することができました。
アスタリスク社といえば、セルフレジ特許でユニクロと争った特許権者です。
先日、この事件は和解という形で終わりました。
ツイッターのコメントでは、アスタリスク社の鈴木社長が特許権侵害の訴訟遂行の問題点に言及されています。
訴訟費用の問題もさることながら、やはり、結論が出るまでがとても遅いこと。
日本の特許庁も裁判所も、何か迅速に判断できない事情を抱えているように思えた。
確かに迅速に判断されなければ、係争時間が無駄に増加して原告の本業にも支障が生じるし、それに伴い代理人費用も増加していきます。
代理人費用が月100万円でおさまらないのが正直なところ。
特許庁については、特許出願して早期審査を申請すれば、3ヵ月で拒絶理由の有無を判断してくれます。
しかも審査の範囲は、日本の文献に限られていません。
これをうまく活用して、無効理由も3ヵ月~6ヵ月くらいで判断できないものなのでしょうか。
相手方の反論があるため、その分の時間は要しますが、6ヵ月以内なら特許無効に関する結論が出そうな気がします。
裁判所の審理については、2年以内に判決を出すという規定がありますが、守られていません。
もともと日本の弁論手続は、原告側に多くの立証事項が課されたアンチ原告制度、特許ではアンチパテント制度に偏っています。
原告側は、権利を行使するために、多くの要件事実を主張立証しなければならず、被告側は、そのひとつでも失敗させればお咎めなし。
加えて、被告側が抗弁の主張立証に成功すれば、敗訴することはありません。
このように考えると、日本の訴訟は、被告側が圧倒的に有利な制度・運用になっています。
これじゃ、資本に劣る中小企業が特許をとっても意味がない、という結論になってしまいます。
もちろん、特許を取得する目的は、訴訟することだけではありません。
このため、中小企業が特許を取得しても意味がないというのは少し違和感は感じます。
特許を取得することで得られる目的はたくさんあります。
弊所のウェブサイトでも紹介していますので、ここでは省略します。
でも、相手が大企業で、中小企業の優れた特許が欲しい場合、訴訟になれば中小企業が飛んでしまうことを知りながら、訴訟してもいいよ、という悪意の確信犯になれば、中小企業はたまったものではありません。
ここを阻止するための特別ルールが欲しいのです。
訴訟手続を大きく変えることは出来ないと思いますが、悪意の確信犯を想定する事案が生じれば、大企業側に特別大きな罰則を与え、下手すれば、社会から制裁をうけるような措置を創るべきなのです。
大企業が社会から葬られると、多大な影響が出てきますが、これを抑止力に、大企業側に自覚してもらい、誠実な対応をして欲しい、というのが狙いです。
ライセンス料0円とか、言えないはずです。
訴訟遂行の円滑化について
・当事者に平等に課される規則は、改良の余地があれば、改正する。
・同時に、大企業に対する特別ペナルティ規定も設ける。
これらが必要だと考えます。
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