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2022年3月29日 (火)

事務所勤務の弁理士の給与が伸び難い理由

特許事務所に勤務する弁理士の給与が伸びない理由を語る前に、

 

どのようにして勤務弁理士の給与が設定されるかを説明します。

 

 

現在では、年功序列よりもむしろ出来高に基づき給与を決定する事務所が多いと思われます。

 

出来高とは個人の売上額です。

 

その売上額の大体30~35%くらいが弁理士の取り分です。

 

 

例えば、勤務弁理士が1000万円の給与を得ようとすると、3000万円前後の売上を計上しないとダメなのです。

 

 

 

それじゃ、欲のない事務所の経営者ならもっと還元される可能性があるの?という期待が生じます。

 

これについては、多少、還元割合が増加するかもしれません。

 

 

 

だけど、勤務弁理士の取り分は良くても40%が上限だと思います。

 

なぜか?

 

 

それは、事務所の経営者が負担するべきものを考えればわかります。

 

まずは、事務所の賃貸料、什器備品、事務用品類、システム構築費用、社会保険料・福祉面の費用…事務所の運営経費が発生します。

 

さらに、事務方の人件費。

 

 

特許事務所では、方式や経理に多くのスタッフが働いています。

 

彼らは弁理士をサポートする人たちで重要なキーマンですが、独自の売上に直結する仕事ではありません。

 

このため、彼らの人件費や社会保険費、備品などは全部、事務所の経営者が負担します。

 

 

さらには、事務所の内部に溜めておく余剰金が必要ですし、経営者の給与も必要です。

 

 

こういう諸経費を考えると、

 

勤務弁理士の売上額をそのまま給与として還元することはできなくなるのです。

 

所長が温情的な人でも、それをやってしまえば、事務所の経営が成り立たなくなります。

 

 

 

勤務弁理士の給与を増やそうとするなら、勤務弁理士が馬車馬のように働き、自らの売上額を増加する方法しかありません。

 

勤務弁理士として2000万円の年俸が欲しいのであれば、6000万円の年間売上を上げてください、になります。

 

 

しかも、価格競争になっている現在において、6000万円の年間売上をあげる弁理士なんて皆無だと思われます。

 

 

 

特許事務所の世界は、こういう世界です。

 

 

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