特許審査ハイウェイ(PPH)を経験して
先日、中国から日本に特許出願した案件で、特許審査ハイウェイ(PPH)を申請した。
もちろん、中国で特許査定になった案件である。
私は日本国特許庁の審査が世界で最も難しい時代の人間なので、中国で特許査定になっても日本の特許庁がそのまま特許査定にするか疑っていた。
しかし、ちょうど、出願日からひと月くらいで日本で特許査定になった。
考えてみれば、現在の日本国特許庁の特許審査は、世界の五大特許庁の中で最も特許になり易い。
その理由はさておき、今回、本当に日本で一発特許査定になったので、少し驚いている。
PPHの提出資料は、中国での実体審査の拒絶理由通知、補正書・意見書、特許査定、引用文献の原文と翻訳文の他に、請求項の比較表などである。
ちなみに、引用文献の翻訳文は不要。
これらを早期審査の事情説明書(ワード)にデータとして貼り付けて提出する。
複数のページにわたってデータを分割して貼り付けても良い。
データの大きさは特許図と同じで、特許図のデータのように貼り付ければ良い。
早期審査の事情説明書には、欄を設けて早期審査の種別を記載する点は改正箇所。
3種類あり、早期審査、スーパー早期審査、特許審査ハイウェイである。
早期審査の対象になるか否かは、結果が通知されるようになっているのも改正点。
こうして日本でも特許査定になったが、早速、分割出願のクレーム案を提案した。
以上から、日本で特許になり易いのなら、日本国特許庁で広い範囲で特許にしてから、米国や中国の特許庁にPPHを活用して出願すれば安上がりである。
米国や中国の特許庁でまともに審査されると特許にならないものが、日本特許に基づくPPHなら、価値ある特許が生まれそうだ。
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