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2022年10月10日 (月)

特許の価値

 

今日は、特許の価値について簡単に述べてみたい。

 

一言で特許と言っても、領域によっては雲泥の差があることを先ず理解しないとダメ。

 

例えば、医薬・バイオの特許。

 

この領域の特許が最も価値が高い。

 

医薬メーカーが莫大な資金を投じて先行投資した結果、できた医薬。

 

特許で固めないと模倣や類似の後発が出てしまい、先行投資が回収できなくなる。

 

ブロックバスターといわれる医薬なら特許は守護神。

 

特許取得に数億円要しても惜しまない。

 

バイオ特許も同じ。

 

 

一方、医薬・バイオ以外の分野。

 

例えば、機械、電気、ソフトの分野。

 

はっきりいうと侵害訴訟は向かない。

 

また、特許がないと事業ができないということもない。

 

ひとつの大きな価値としては、技術者の暗黙知を形式知にして社内技術を見える化できること。

 

理由は、技術者が退職したときに技術内容が権利と共に会社に残るから。

 

退職者は他所の会社に転職するかもしれないが、前の会社に特許があれば、移った先の会社で同じ技術を使うことができない。

 

 

なお、侵害訴訟の観点では、ソフトウェアなんて特許にしても侵害時の立証が大変で、裁判所に出ても敗訴の可能性が高い。

 

私は、このような行政と裁判所の非連続な点があることから、特許制度は十分に機能していないと考えている。

 

昨今の特許出願件数の激減も、企業数が減少という要因もあるが、特許の価値(使い勝手)が?という民意の反映ではないだろうか。

 

事実、日本の特許庁を本庁とする特許審査ハイウエイの件数も減少している(特許庁・品質管理室データ)。

 

これは日本で特許にしないという出願人の意思表示なんだ。

 

 

以上のように、特許の価値は技術領域によって大きく異なるので、一概に特許の価値が●●という定義はできない。

 

ただ、技術者の暗黙知を形式知にして社内技術を見える化できることは大きな財産だよ。

 

特許庁と裁判所の関係性がチグハグな点を修正するとすれば、

 

特許庁の判定の結果を裁判所で積極活用すれば良いと思う。

 

具体的に、特許庁の判定で技術的範囲に属するという結果なら、訴訟において侵害要件の充足性を推定するという特許法の条文を創る。

 

過失の推定規定のようなもの。

 

これなら、侵害訴訟の侵害論では抗弁だけを審理すれば足りる。

 

時間も短縮でき、出廷回数も削減できるから、訴訟代理人の費用も大きく低減できる。

 

特許庁と裁判所の連携もうまくいく。

 

我ながら名案だと思うわけだ。

 

 

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