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2022年10月 6日 (木)

特許訴訟、甘く考えていると自分の会社が飛ぶぞ!

日本で特許権を取得した場合、模倣する第三者に対して特許侵害訴訟を提起することができる。

ただし、個人事業主や中小企業が特許侵害訴訟に手を出すと、下記の3つの大きな落とし穴が待っているんだな。


それは、


1.膨大な時間

2.多額の費用

3.敗訴の可能性


日本の東京地方裁判所に特許侵害訴訟を提起すると、約1年~2年くらいの時間をかけて、裁判所で審理が行われる。

私が代理した特許事件では、一審だけでなんと3年以上の時間を要した事例が。

そして、地裁の判決に不服なら知財高裁へ控訴でき、控訴審の判決に不服なら最高裁に上告する。

地裁から上告までの期間が5年に及ぶこともあり。

この間、特許権者は原則、月一度の弁論準備のために裁判所に出廷する。

これが5年間も継続するわけだ。

この5年という膨大な時間を、仕事の片手間で訴訟に費やさなければならない。

あなたが会社を経営していたら、本業しながら代理人とともに戦うことになる。

 

 

次に、訴訟費用の問題。

訴訟費用は、主として、裁判所に支払う印紙代の他に、代理人である弁護士や弁理士に支払う報酬がある。

裁判所に支払う印紙代は損害賠償額に応じて変動しますが、額はこちらで決めるため、大したことはない。

問題は、弁護士や弁理士に支払う代理人費用。

1年間1千万円以上の費用が発生すると言っても過言ではない。

5年間で5千万円近くだな。

さらに、無効審判、訂正審判やその審決取消訴訟の手続が追加されれば、数千万円単位のお金が別途必要になる。

特許権者が個人事業主や中小企業の場合、これらの費用の負担は、会社が飛ぶくらい厳しいものになるんだ。

アメリカでは特許訴訟の度に、特許弁護士の豪邸が建つとまで揶揄されている。

 

 

それでは、膨大な時間と多額の費用をかけて戦った特許侵害訴訟の勝敗はいかに。

日本の特許侵害訴訟の場合、特許権者の勝訴率は30%~40%。

特許権者が負ける確率の方が高いのですよ。

あれだけ時間と費用をかけて頑張った虎の子の侵害訴訟、結末は敗訴…

これじゃ、何のために特許権を取得したのかわからない。

特許の活用=訴訟と考えている方は注意だな。

侵害訴訟が特許の活用の全てではないし、また侵害訴訟に安易に突入すべきではない。

 

 

特許の活用は、事業利益を高めるためにあるべきと考える。

そのためには、特許の範囲が事業内容に倣っていなくてはならない。

権利取得にセンスがないと、これが実現できない。

多くの実務者がやっているのは、引用発明と差異が出る部分で特許をとる手法。

このやり方は、事業内容が微塵も考慮されていないからね。

額縁に飾るだけの特許証の出来上がりだ。

そうではなく、第三者の模倣を排除できる特許網の構築方法が必要である。

特許は、特許権者の事業力に貢献しないといけないはず。

経営者は、日頃から弁理士と一緒に考えていくべき課題だね。

 

 

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