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2023年6月28日 (水)

【欧州特許どのルートが得】UPC統一特許vs有効化手続

現在受任している欧州特許がEPOで特許になり、いよいよ有効化手続のタイミングに入りました。


従来なら、権利化したい国に対して有効化手続を行います。


それが2023年6月1日からUPC統一特許制度がスタートして、現時点でUPCに17か国が批准していることから、どちらのルートで特許にするか否かを悩む場面が出てきました。


UPC統一特許制度とは、
参加国に単一の効力を持つ特許権(Patent with Unitary Effect)を付与するEU規則(1215/2012と1257/2012)と、特許権侵害等に関する統一特許裁判所協定(Agreement on a Unified Patent Court)を柱とする、新しい欧州特許制度です。これまでのEPC(欧州特許条約)や欧州各国における個別の特許制度と併存します。


例えば、ドイツ、フランス、イタリアで権利化する場合、従来の有効化手続としてそれぞれドイツ、フランス、イタリアに別々に有効化手続を行うルートと、この三国がUPC批准国であるあることから、UPC単一特許として登録することを比較することになります。


UPCルートは、17か国(2023年6月時点)への権利化手続が一括で済むため、代理人手数料が安く済みますが、公的料金がとても高いのです。


欧州弁理士、日本弁理士及び公的料金の合計額をコストとして考えた場合、権利化したい国が4ヵ国以上ならUPCルートの方が安くなることが多いです。


特にドイツを選択する場合、ドイツへの有効化手続後の特許料維持に要する公的料金がとても高くつきます。


それを考えると、少なくともドイツを含む、ほかのEC加盟国2~3国以上で権利化する場合には、UPCルートの方がお得なのです。


ただし、ドイツ以外の公的料金の安い国だけで、しかもEC加盟国1~2か国で権利化する場合なら、UPCルートを外し、従来の有効化手続のルートの方がコストが低くなります。


具体的にどの国を選択するかによってコストシュミレーションが変わってくるので、手続の前に慎重に検討することが必要。


結局、弊所が代理している欧州案件は、UPCルートで統一特許を取得することになりました。


制度がスタートして間もない時期に、UPC統一特許の手続を自分で起案して進めることになりました。


勉強の日々ですが、ワクワクしています。


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