通告書という名の警告書に対する回答書
お客様が相手方弁理士から商標権侵害に関する通告書が届いたとのことで相談。
警告書ではなく、通告書。
通告書?
なんじゃそれ。。。
法的な争いをしたくない旨が記載されている。
日本の知財訴訟でいうと、訴えても、訴えられても、損なのだ。
権利者が知財訴訟を提起しても、勝てる見込みのない裁判が2~3年続く。
ようやく判決が出るころには、最初に訴えた気持ちはすべて消え失せ、新しい製品の販売に集中している時期。
そんな昔の商品(現在販売中止のもの)の知財なんて、今更、争いたくないというのが原告たる権利者の心の声だろうか。
仮に知財訴訟で勝ったとしても、損害賠償金なんて僅か。
訴訟代理人の弁護士と弁理士の報酬の方が遥かに高くなることも少なくない。
すなわち、訴訟したことで得られたことは収支の赤字。
なんのために訴訟に時間とカネを費やすのかね。
洒落ではないよ。
誤解のないように言うと、日本での知財訴訟は、権利の侵害者にとって有利に出来ている。
仮に相手が形式的に侵害していても、例えば、先に実施していたり、権利に無効理由があれば、被告の勝訴である。
原告がすべての要件事実を立証してきたところで、たったひとつの抗弁事由があれば、オセロのように形勢が逆転するシステム。
通告書の話を戻すと、
こちらも争う気持ちを必要以上に煽ることなく、掻き立てることなく、粛々と対応していく気持ちが好ましい。
そのうえで、反論すべき事由はしっかり反論し、必要な手続も進めていくのだ。
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